「Xperia XZ Premium」と「ソフトバンクSIM」が新たな武器に 1周年を迎えたnuroモバイルの戦略:MVNOに聞く(2/4 ページ)
nuroモバイルへのブランド刷新から1年がたち、ソニーネットワークコミュニケーションズが新たな一手を売ってきた。「Xperia XZ Premium」の扱いとソフトバンク回線のサービス開始だ。それぞれの狙いを聞いた。
Xperia XZ Premiumの端末代、高くない?
―― 一方で、Xperia XZ Premiumは端末代も高く、プレミアム帯域オプションを付けると、MVNOとしてはかなり割高になってしまいます。ドコモ本体が提供しているサービスとの差が小さくなってしまうのではないでしょうか。
細井氏 確かに端末の値段を含めるとああなってしまいますが、割引もつけ、相当安くはしています。端末に関してはXperiaで、機能も落としていません。それでも1000円以上はメリットのある形になっています。プレミアム帯域オプションや上りのカウントフリーがあり、機能にもご満足いただけるようにしています。そういう意味もあって、ドラスチックに(MNOよりも)安くなっているわけではありません。
―― 端末代が占める割合が高くなるので、差が小さく見えてしまうということですね。
細井氏 今まで出していたものは2万円台、高くても5万円台でしたが、同じ価格帯のものを出しても意味がありません。待っていた方に向けてXperiaをお出しする。MVNOが今まで扱っていなかったもので、かつ、今までに出していなかったメニューでニーズにお応えしたかったという思いがありました。
―― 逆に、海外では日本で出ていないミドルレンジのXperiaがたくさんあります。そういった端末をnuroモバイルだけで独占提供するといったお考えはありますか。
細井氏 まずはプレミアム端末でニーズに応え、サービスの認知度を上げることを目標にしていました。正直なところ、そこまでの検討には至っていません。ソニーモバイルがこの市場にどう取り組んでいくかもあるので、われわれが何か言える立場でもありません。
―― Xperia XZ Premiumは数量限定という扱いでしたが、これはプレミアム帯域オプションで用意する帯域を読みやすいという理由からでしょうか。
細井氏 はい。2000円という価格をいただきサービスを提供する以上、きちんとした品質を担保しなければなりません。台数制限なしで提供すると、さすがに責任が持てない。まずは1万3000台という数量でやり、そこでの実績を踏まえながら、次はどうするのかを考えていきたいですね。
―― 今後も継続したいということでしょうか。
細井氏 お声があれば、サービスと商品に反映させていきたいと考えています。まずは、今のXperia XZ Premiumを売っていくことが最優先ですが。
ソニーストアでの販売は「体制が整えば」
―― ソニーストアで申し込みできるのも、新しい取り組みだと思いました。ただ、その場で手に入らないのは、ちょっと残念です。
細井氏 今現在、直接ものをお渡しすることはできませんが、お申し込みするとクーポンが付く形でサービスをさせていただいています。nuroモバイルは直接運営する店舗を持っていないので、まずはソニーストアでご興味のある方にパフォーマンスを見ていただき、自宅やその場で申し込める形にしました。今まで触っていただく場所がなかったのですが、今回の取り組みでタッチ&トライができるようになりました。
―― 今後、ソニーストアで直接販売ができるようになったりすることはあるのでしょうか。
細井氏 今後、体制が整えば、そういう販売の仕方も考えていきたいですね。ソニーストアに来るお客さまは、商品を見たい、触ってみたいという方が多いですから。
―― Xperia以外でも、ハイエンドなSIMフリーモデルが増えています。こういった端末と組み合わせて、プレミアム帯域オプションを提供する予定はあるのでしょうか。
細井氏 端末のパフォーマンスと帯域という関係性を踏まえて出しているので、同じようなパフォーマンスが出せる端末があれば、考えたいと思います。また、もう少し性能の低い端末と組み合わせたいというお声もあれば、それも検討していきたいですね。
―― それは、ちょっとプレミアムみたいなサービスをでしょうか。
細井氏 そうですね。
関連記事
nuroモバイルが「Xperia XZ Premium」発売 月額2980円~ 上り通信が使い放題のオプションも【更新】
ソニーネットワークコミュニケーションズが、「nuroモバイル」向けに「Xperia XZ Premium」を発売。専用帯域プションも提供し、上り通信が使い放題になる。料金は月額2980円から。nuroモバイルの「Xperia XZ Premium」はお得? ドコモ版とランニングコストを比較
ソネットが「nuroモバイル」向けに「Xperia XZ Premium」を発売。専用帯域オプションを使えば上り通信が使い放題になるが、価格のメリットはどれだけあるのか? ドコモ版Xperia XZ Premiumとランニングコストを比較した。nuroモバイルの「Xperia XZ Premium」、Android 8.0へアップデート
ソニーモバイルコミュニケーションズは、MVNOサービス「nuroモバイル」向けSIMフリースマホ「Xperia XZ Premium」をAndroid 8.0へアップデート。カメラ機能の強化や緊急速報メールへの対応などを行う。「nuroモバイル」にソフトバンク回線プラン登場 月額980円から
ソニーネットワークコミュニケーションズのMVNOサービス「nuroモバイル」に、ソフトバンク回線を利用するプランが登場する。データSIMと音声SIMを用意し、月間通信容量は「2GB」「5GB」の2種類から選べる。ソニー、“スーパーミドルレンジ”Xperia XA2/XA2 Ultraを2月発売へ L2は1月
ソニーがCES 2018に合わせて“スーパーミドルレンジ”端末「Xperia XA2」および上位モデル「Xperia XA2 Ultra」を発表した。「Snapdragon 630」搭載で、先代よりバッテリーやメモリの容量も増。2月に一部地域で発売の予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.