「Xperia XZ Premium」と「ソフトバンクSIM」が新たな武器に 1周年を迎えたnuroモバイルの戦略:MVNOに聞く(3/4 ページ)
nuroモバイルへのブランド刷新から1年がたち、ソニーネットワークコミュニケーションズが新たな一手を売ってきた。「Xperia XZ Premium」の扱いとソフトバンク回線のサービス開始だ。それぞれの狙いを聞いた。
ソフトバンク回線のサービスを始めた理由
―― 次に、ソフトバンクのネットワークを使ったサービスについて、うかがっていければと思います。これを始めたのは、なぜでしょうか。
細井氏 nuroモバイルの始まりはドコモSIMでしたが、お客さまの声として、他のキャリアを使いたいというものがありました。弊社はMVNEもやっていて、そのお客さまからの要望としても、他の会社はないのかといった声や、マルチキャリア対応したいという声が、ずっと前からありました。その声にどう応えていくのか準備をしてきたのですが、その準備ができたタイミングで、ソフトバンクから出しています。
―― “から”とおしゃっていましたが、auのネットワークも検討しているということですか。
細井氏 マルチキャリアというニーズがあるので、(キャリアには)特に壁を設けてはいません。提供していただけるのであれば、提供したいと考えています。
―― 提供していただけるのであればということですが、相互接続の申し入れは、御社がすれば、KDDIは法的に断ることができないと思います。
細井氏 われわれ側の提供する準備が整えばというのが、正確な表現になります。出しました、でも売れませんでは意味がありません。そういったことも含めて、タイミング的に、ソフトバンクの準備が整ったということです。
―― MVNE側はどういった理由でマルチキャリアを求めていたのでしょうか。
細井氏 ご利用いただくお客さまがなぜ弊社を選んだのかを詰めてお聞きしているわけではありませんが、1つはデュアルネットワークで、複数の会社のネットワークを混ぜて使いたいというニーズがあるようです。われわれがサービスを提供するMVNOの先にいる個人のお客さまが、ソフトバンクのSIMを使いたいという声が上げていれば、その声もわれわれに上がってきます。
―― nuroモバイル自身でも、ソフトバンクのネットワークを使ったサービスを提供しています。これはなぜでしょう。
細井氏 今使っている個人の端末を買い替えることなく、そのまま使いたいというニーズがあったからです。機種変更で苦労される方もいて、(ソフトバンクの)iPhoneをそのまま使いたいという声がありました。そういった方のニーズに合わせて、ご用意したものです。
―― 手持ちの端末そのままでというニーズは、やはり高いということですね。
細井氏 端末代金が入ってしまうと、どうしてもそれなりにハードルが高くなってしまいます。毎月の(端末も含めた)通信料を少しでも下げたいというニーズに合わせたものになります。
―― 手応えはいかがですか。
細井氏 今回、メニューとしてはシンプルに、2つ(2GBと5GB)のみにしています。Xperiaのように大々的には発表していないこともあり、大きな反響があるというよりは、ついに始めたと思った方がお買い求めいただいているような感じですね。
―― SIMロックを解除すれば、ソフトバンクのiPhoneでもドコモ回線のnuroモバイルが使えます。こういった形での端末持ち込みは、まだ一般的にはなっていないのでしょうか。
細井氏 (SIMロックの解除できない)iPhone 5、5sやiPhone 6を使っている方もまだまだいます。これらの端末も対象だと考えています。
―― 念のための確認ですが、ソフトバンクのSIMロックがかかったAndroidは非対応ですよね。
細井氏 はい。Androidについては、SIMフリータイプのものをお使いいただければと思います。
―― サービスの充実度は、ドコモのネットワークを使ったサービスの方が大きく上回っています。プランを合わせてしまうことは考えなかったのでしょうか。
細井氏 きちんと合わせてしまった方がいいのか、iPhoneをご利用の方にターゲットを合わせた方がいいのかを考え、今回は、少ないメニューで明確にお選びいただけるよう、容量は2つにとどめました。
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