Huaweiが躍進、ミッドレンジの拡大、複眼カメラが多様化――3キャリアの夏モデルを振り返る:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
3キャリアの夏モデルが出そろった。Huaweiが3キャリアにスマホを納入し、ミッドレンジモデルが拡大した。流行のデュアルカメラは、メーカーによって味付けが異なるのが特徴だ。
拡大するミドルレンジモデル、分離プランの影響も
これに対し、KDDIはP20、P20 Proの廉価版にあたる「HUAWEI P20 lite」(以下、P20 lite)を導入し、ミドルレンジモデルの要に据えた。KDDIは、2017年に導入した「auピタットプラン」「auフラットプラン」が分離プランになっており、端末購入補助にあたる割引が付かない。「アップグレードプログラムEX」を活用すれば、2年間で端末価格の半分に相当する残債が免除され、機種変更できるが、端末の“素の価格”が他社以上に見えやすくなっている状況だ。
こうした中、KDDIはミドルレンジモデルのラインアップを徐々に強化している。KDDIの商品企画本部長 山田靖久氏は、「年間を通して、コストパフォーマンスのいい端末に力を入れていく」と語る。Huaweiのスマートフォンは、先に挙げたnova 2から2機種目となるが、「順調に販売している」という。
P20 liteは、2017年、SIMフリー市場で大ヒットを記録したP10 liteの後継機だが、好評を受け、キャリア市場にも進出した格好だ。auだけでなく、UQ mobileやY!mobileといったサブブランドも取り扱いを表明しており、SIMロックフリースマートフォンとしての発売も期待される。
ソフトバンクも、ミドルレンジモデルにはコストパフォーマンスの高いHuawei端末を選定。価格の安さに反して、普通に使える性能の高さと、デュアルカメラを兼ね備えた「HUAWEI nova lite 2」(以下、nova lite 2)をラインアップに加えた。ソフトバンクは、5月25日に1GB、2GB、3GBと3段階に料金が変動する分離プランの「おてがるプラン」を発表したが、ここでの対象機種にもnova lite 2が挙がっている。
ソフトバンクは、nova lite 2と同時に、京セラ製の「DIGNO J」や、シニア向けの「シンプルスマホ4」も発表。既に発表済みの「iPhone SE」や、「Android One S3」も合わせて、おてがるプランの対象とした。低容量プランを契約するユーザーはY!mobileに任せていた感のあるソフトバンクだが、docomo withやauのミドルレンジモデルへの対抗色を強く出しつつあることがうかがえる。
ドコモは200万契約を突破したdocomo withのラインアップを強化した。新たに発売するのが富士通の「arrows Be」と、LGエレクトロニクスの「LG Style」。前者は泡ハンドソープで洗える特徴を加えつつ、プロセッサやカメラなどを2017年のarrows Beから強化。対するLG Styleは、docomo withの中では最もスペックを重視したモデルで、メモリ(RAM)が4GB、ストレージ(ROM)が64GBだ。18:9の縦に長いディスプレイを搭載しているのも、LG Styleの特徴だ。
分離プランの導入以降、KDDIでは「お客さまのニーズが上と下に寄っている」(山田氏)という。「フラグシップモデルは日本だとかなり強いご要望があるが、これと並行して、コストパフォーマンスのいい端末が選ばれる現実がある」といい、売れ筋が二極化してきている。ドコモも、「25日から提供予定の新料金プランと組み合わせることで、さらにお得にスマートフォンをご利用いただける」(吉澤氏)として、docomo withを料金プランで後押しする。docomo withが1年を待たずに200万契約を突破したことからも、二極化の傾向は見て取れる。
関連記事
ドコモの2018年夏モデル Xperia XZ2シリーズ、Galaxy S9/S9+、HUAWEI P20 Proなど計11機種
ドコモが2018年夏商戦向けモデルを発表した。新モデルはスマートフォン10機種とタブレット1機種を合わせた計11機種。ドコモでは約5年ぶりのHuaweiスマホも登場する。【更新】新サービスに質問が集中――ドコモ2018年夏発表会 一問一答
NTTドコモが2018年夏商戦に向けた発表会を開催した。この記事では、発表会における質疑応答と吉澤和弘社長との囲み取材の模様をお伝えする。auの2018年夏モデル登場 「Xperia XZ2/XZ2 Premium」「Galaxy S9/S9+」など7機種
auが2018年夏商戦に向けた新機種を7機種投入する。合わせて、2017年冬モデルとして登場した「AQUOS sense」の新色や、公式アクセサリー「au +1 collection」を投入する。Xperia XZ2シリーズはどれが買い? 3機種の特徴や使い勝手を比較する
2018年の夏モデルとして、ソニーモバイルから「Xperia XZ2」シリーズ3機種が発売される。今回はどのモデルが買いなのか? ディスプレイ、カメラ、基本性能を確認したうえで、目的別にどのモデルがオススメかを紹介する。ソフトバンクが3段階制のデータ定額プランを提供 1GB~3GBで月額1980円から
ソフトバンクが、ライトユーザー向けに3段階のデータ定額プランを発表。料金は基本料金込みで月額1980円から。ただしソフトバンクの対象機種を使っている必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.