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LINEモバイルとの“すみ分け”は? ソフトバンク「併売」の効果は?――「Y!mobile発表会」一問一答(3/3 ページ)

Y!mobileが「スマホプラン」の容量倍増と「かんたんスマホ」を発表した。子会社「LINEモバイル」を含め、ソフトバンク回線を使うMVNOサービスも増える中、どのような戦略を描くのだろうか。

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ソフトバンクブランドとLINEモバイルとのすみ分け

―― 親会社(ソフトバンクグループ)の決算資料を見ると、ソフトバンク(SoftBank)ブランドが良く伸びていて、Y!mobileブランドの伸びが鈍いように思える(参考記事)。より大容量のプランが求められているということなのか。

寺尾氏 私たちのストック(契約者数)が増えてくると、解約者数も増える。そういう意味で獲得(新規契約者数)そのものが落ち込んでいるわけではない。


ソフトバンクグループの2017年度(2018年3月期)決算説明会では、スマホ(音声端末)純増に占めるソフトバンクブランドの比率が高まったことを示唆する資料が提示された

―― ソフトバンクのネットワークを使うMVNOサービスが増えてきた。“競合”としてみなすのか。

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寺尾氏 競合かといえば競合になるとは思うが、それは「LINEモバイル」を指しているのか。

(筆者注:LINEモバイルは3月31日付でソフトバンクの子会社となった)

―― それはもちろんだが、ケイ・オプティコムの「mineo」などもある。

寺尾氏 mineoは明らかに競合。一方で、LINEモバイルは同じグループ内にいるので難しい所だが、お互い切磋琢磨(せっさたくま)していければ良いと思っている。

 以前もお話ししたが、お客さまにとって良いことをやっていって、誰が支持されるかということだと思う。ルールの中で、お客さまに(サービスを)提供していって、それで支持されれば私たちが成長できるだろうし、他のキャリアやMVNOが支持されて成長することもありうる。

 負けないように頑張っていくが、最後はやはりお客さまにちゃんと使ってもらって、インターネットの便利さや楽しさを体感してもらうことに尽きると思う。

―― LINEモバイルとはどのようにすみ分けを図っていくのか。

寺尾氏 2~3年前、「ソフトバンクとY!mobileはどうすみ分けるのか」という質問をいただいた。それと同様に、何とかやっていくんだとは思う。

―― 今回の容量アップで、価格(プラン)面でもLINEモバイルに近づいてしまっている。LINEモバイル側を値下げするといった策は考えているのか。

寺尾氏 現時点で決まっていることはない。

 私たちもLINEモバイルも、より使いやすくしていって競争が“激化”すれば皆さんの期待に応えられると思う。

―― 沖縄県以外でY!mobileを取り扱うソフトバンクショップが増えている。販売面で効果はあったか。

寺尾氏 プラスが出ないのならやらないです(笑)。

 現在、約1300のソフトバンクショップでY!mobile商品を取り扱いいただいている。Y!mobileショップは1000店舗ほどあるが、その商圏外における販売やサポートの拠点という位置付けだ。

―― Y!mobile目当てにソフトバンクショップに来たユーザーがソフトバンク(ブランド)を契約する、ということもあるのか。

寺尾氏 店頭ではさまざまな商品を提案するので(そのようなこともあると思う)。

 お客さまが大容量、あるいは最新のiPhoneを求めるならソフトバンク、低容量で安くというのであればY!mobileというすみ分けをしていると聞いている。

 Y!mobileの契約者は「Mプラン」が中心。(新規契約・機種変更から1年目は)月額2980円、家族割引適用で2480円、「SoftBank光」の割引適用で2280円といった価格感となっている。「松竹梅」でいえば「竹」が一番選ばれている感じだ。

―― そうなると、Y!mobileブランドのARPU(1回線当たりの平均収入)は2980円ぐらいになるのか。

寺尾氏 いろいろな調査で見ると分かると思うが、額としてはもう少し大きい。



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