IIJ勝社長、キャリアの2年/4年縛りの条件見直しは「歓迎する」
IIJが決算会見を開催。MVNOサービスは個人、法人を含めて順調に伸びている。キャリアが発表した、2年縛りや4年縛りの条件見直しについて勝社長は「歓迎する」とコメントした。
インターネットイニシアティブ(IIJ)が8月8日、2018年度第1四半期の決算会計を開催。勝栄二郎社長と渡井昭久CFOがモバイルサービスの現況を説明した。【訂正あり】
MVNOサービスの総回線数は244万4000に達し、2017年度第4四半期から約10万の純増となった。勝氏は「300万突破に向けて順調に増えている」と手応えを話す。
個人向け「IIJmioモバイル」の回線数は103万6000で、2017年度第4四半期から3万1000の純増。2017年度第3四半期から第4四半期の1万8000を超える純増数となった。「3~4月は(ユーザーが)動きやすい時期。キャンペーンの効果もあった」と渡井氏は話す。
法人向け「IIJモバイル」の契約数は140万8000で、うち88万7000がMVNEの回線数。2017年度第4四半期からは6万8000の純増で、個人向けよりも好調に推移している。
通信品質の確保には依然として苦労しているそうで、7月は通常よりも多く回線を増強した。「通常は月に2~3回増強しているが、4月以降は通信速度が落ちてきているので、増強を増やしている」(勝氏)
2018年3月に開始したフルMVNOサービスは、第1四半期で約9000万円強の売上を確保した。「年間目標は5億円だが、コンスタントに積み上げられている」と渡井氏。2018年度はフルMVNO事業単体では赤字だが、既存の通信サービスでカバーしつつ、長期的に売上を伸ばしていく考え。特に引き合いが多いのが、SIMの稼働を遠隔で制御できる「SIMライフサイクル管理」機能で、訪日外国人向けプリペイドSIMの契約が伸びているという。
【訂正:2018年8月8日20時5分 初出時、フルMVNOの第1四半期売上金額に誤りがありました。おわびして訂正致します 】
総務省と公正取引委員会の指摘を受け、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが2年契約の更新月に24カ月目も含めること、KDDIとソフトバンクが(48回払いにして2年後に機種変更すると端末代金を半額にする)通称“4年縛り”について、サービスへ再加入するという条件を撤廃することを発表した。特に4年縛りの条件見直しにより、ユーザーがキャリアを解約する障壁が1つ減るので、MVNOにとっては吉報といえる。今回の決定について勝氏は「歓迎する」と評価。「キャリアとの競争条件は公平にしていただきたい。(今回の改定は)大きな流れに沿ったものだと思っている」(同氏)
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