環境さえ整えば「決済」も変わる――JapanTaxiが目指すタクシーの未来(後編)(1/4 ページ)
国内のタクシー配車アプリとして高いシェアをほこる「JapanTaxi」。このアプリには「JapanTaxi Wallet」というコード決済機能も内包しているが、開発元のJapanTaxiは社外のコード決済サービスへの対応も積極的に進めている。前編に引き続き、同社のCMO(最高マーケティング責任者)から話を伺った。
タクシー配車用アプリとして高いシェアを有する「JapanTaxi(ジャパンタクシー)」(Android版/iOS版)。その開発元であるJapanTaxiでCMO(最高マーケティング責任者)を務める金高恩氏にインタビューする機会を得た。
この記事では、JapanTaxiアプリに内包されたコード決済サービス「JapanTaxi Wallet」や、他社のコード決済を含む支払い方法の多様化、NTTドコモとの資本業務提携などについて伺った話をまとめる。
手数の多かった「JapanTaxi Wallet」 フィードバックで改善
―― 個人的な話ではありますが、私(筆者)はJapanTaxi Walletを良く使っています。正確なタイミングは覚えていないのですが、利用の流れが途中で変わりましたよね。
金氏 JapanTaxi Walletで運賃を支払う場合、車内のタブレット端末を操作する必要があるのですが、使うのが大変だろうということで、リリース当初は「JapanTaxi Walletボタンをタップ→使い方の説明を表示→「使う」ボタンをタップ→決済用QRコードの表示」というフローを取っていました。
ですが、実際に使っているお客さまから「早く決済を済ませたいのに『使う』ボタンをタップするのが面倒だ」という旨の指摘がありました。そこで、現在は「JapanTaxi Walletボタンをタップ→決済用QRコードの表示」というようにフローを変えました。
操作のUIはできるだけ丁寧に、と思っていたのですが、お客さまの方が「進化」が早いようで、先ほどのような指摘が多くなったので、改善した(説明を省くようにした)次第です。
お客さまの要望に応える形で、タブレット端末だけではなくアプリ側の操作手順も改善をしていますし、タクシーに搭載している決済機もさまざまなフィードバックをもとに改良を施しています。
コード決済は「中国系」が好調
―― そういえば、御社の車載タブレットは「Origami Pay」や「AliPay(支付宝)」「WeChatPay(微信支付)」といったコード決済にも対応していますよね。利用客は多いのですか。
金氏 結構多いですね。
車内タブレット端末は2017年1月27日からOrigami Payに対応しました。弊社のタブレット端末は今でこそ地方のタクシーにも搭載されるようになりましたが、この当時は日本交通のタクシーだけに搭載されていました(筆者注:東京23区・武蔵野市・三鷹市で営業する車両が対象)。Origami Payのユーザーさんも東京に集中していたことと相まって、多く使われたのだと考えています。
弊社も(自前のコード決済として)JapanTaxi Walletを提供していますが、こちらは「乗車中(到着前)に決済を済ませてしまいたい」という人に好んで使っていただいています。
AliPayとWeChat Payについては、7月からタブレット端末の展開を始めた札幌や京都では、訪日旅行客がそれ(コード決済できるタクシー)を目当てに乗車するということも起こっています。
京都の例をお話すると、弊社のタブレット端末を導入したタクシー事業者が車両の窓に「AlipayとWeChat Pay、使えます」というステッカーを貼ったところ、中国人旅行客の皆さんがそれを目印にタクシーを選ぶようになりました。タクシー乗り場でも、ステッカーのないタクシーが来ると、後ろに並んでいるお客さんに「先にどうぞ」と譲ってしまうこともあるそうです。
その会社にお話を伺うと、中国人の乗車率がアップして、営業回数も増えたとのことです。
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