光ID技術を活用した電子スタンプ CCCマーケとパナソニックが開発 メリットは?
CCCマーケティングとパナソニックが、電子スタンプサービス「光スタンプ」をパナソニックと共同開発。「スマホサイフ」アプリからカメラを立ち上げ、画面に光を映すとスタンプを取得できる。CCCマーケは「ウォレットレス社会」に向けた取り組みとしている。
CCCマーケティングが、光ID技術「LinkRay」を活用した電子スタンプサービス「光スタンプ」を、パナソニックと共同開発。2018年11月5日から、ポイントカードまとめアプリ「スマホサイフ」向けに提供する。
LED光源から発信する機器固有の光ID信号を、スマートフォンのカメラで読み取ることで、さまざまな情報を入手できる。ピント合わせは不要で、撮影画面に光っている部分を合わせればよい。光が高速で明滅する様子は再現できないため、なりすましの不正を防止できるという特徴も持つ。
店舗側は、LinkRay対応の卓上ホルダを設置。読み取り部を光らせて、スマホサイフアプリ経由で読み取ることで、電子スタンプがアプリにたまる。たまったスタンプの個数によって、クーポンを付与することもできる。これまで紙でやりとりしていたスタンプを電子化することで、ユーザーがスタンプカードを取り出す手間、店舗スタッフがスタンプを押す手間をなくし、レジの滞留時間を減らすことが期待される。
また、紙のスタンプだとサイフに入れ忘れたりなくしたりすることが多い。電子スタンプなら、ユーザーはスマホとアプリさえあれば、スタンプをためられるようになり、スタンプ入手の機会損失を減らすことにもつながる。
光スタンプの卓上ホルダの価格は非公表。CCCマーケティングは、商店街での利用や、スタンプラリーなどイベントでの利用を想定している。
CCCマーケティングが提供しているスマホサイフは、各社のポイントやスタンプ、クーポン、(Android版のみ)電子マネーサービスを一元管理できるアプリで、2016年7月からサービスを提供している。提携カードは現在29ブランドあり、2018年10月時点で150万ダウンロードを突破している。
CCCマーケティングは、スマホサイフをはじめとした施策で、キャッシュレス化はもちろん、その先に、サイフの中身が全てスマホに一元化された「ウォレットレス社会」を目指している。一方で、スタンプカードやクーポンはいまだに紙でやり取りしている店舗が多い。CCCマーケティング スマホサイフ事業管掌COOの渡辺朗氏は「スマホもサイフも出す必要があるのでオペレーションが二重化していて、消費者にとっても店舗にとっても煩わしい」と課題を話す。
大手のポイントカードは既に電子化され、スマホアプリに対応しているサービスは多いが、中小規模の店舗は紙のスタンプを使っているところがまだ多い。「日本人はポイントが好き」(渡辺氏)なので、お金だけでなくスタンプカードを電子化することも重要だ。実際、決済手段を選ぶ際に、ポイントや割引を重視する人が最も多いという調査結果も出ている(日銀調べ)。渡辺氏はポイント、スタンプ、お金を「三位一体でデジタル化することに意味がある」と語る。
今回の光スタンプは、文字通り「スタンプ」の利便性を向上させるもので、決済機能やポイントをためる機能は有していない。光スタンプで紙を電子化する方が効率は上がるが、決済にもう1アクションが加わるのは紙と同じだ。スマホサイフを起動→カメラを起動→スタンドを写すという手順なので、それなりに手間はかかる。LinkRayの仕組みでは難しいのかもしれないが、1アクションで決済もできて、ポイントやスタンプがたまる仕組みができれば、ユーザーの利便性はさらに向上するだろう。
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