ドコモはなぜハワイで「dポイント」を導入したのか? 「d払い」は?(1/2 ページ)
ドコモがハワイで「dポイント」を導入した。dポイント加盟店は、18社23店舗。ユーザーは買い物した額に応じて、1ドルか2ドルごとに1ポイントを獲得できる。ドコモはなぜハワイでdポイントを導入したのか?
NTTドコモは、12月7日(現地時間)に米ハワイにdポイントを導入した。dポイント加盟店は、18社23店舗。ユーザーは買い物した額に応じて、1ドルか2ドルごとに1ポイントを獲得できる。dポイントで支払いもでき、1ポイント=1セントのレートで利用可能だ。dポイントの運用が始まった7日には、ハワイで記者会見を開催。国際事業部長 執行役員の高木克之氏が狙いを語った。
ハワイは日本人のニーズが高い地域
高木氏は、まずdポイントクラブの現状を解説。会員数は18年9月末時点で6763万人、dポイントカードなどの利用者登録をしているユーザーは2788万人に拡大した。取引額は1年で1.5倍に拡大しており、約800億円分が利用されているという。「加盟店を拡大し、ドコモ以外でご利用いただけるように取り組んでいる」(同)ことが奏功し、提携先での利用は356億ポイントと、前年同期比で2.2倍に増えている。
ハワイにdポイントを拡大したのは、こうした取り組みの一環になる。重視したのは、日本人のユーザーが訪れそうな店舗。「(23店舗は)ガイドブックや旅行サイトに載っている非常にパワフルなところで、日本人のお客さまに興味を持っていただけるところに参加していただけることになった」(高木氏)
ドコモでは、既に米領グアムや米本土のニューヨークでもdポイント加盟店を展開している。一方で、店舗数を見ると、ハワイは18社23店舗と数が多く、高木氏も「日本人のニーズが高い地域ということで、過去2地域に比べると大きな規模で始められたと思っている」と語る。渡航先として人気が高く、さらに「ビジネスではない個人渡航が94%で、ポイントとの親和性も非常に高い」(同)のが、その理由だ。
決済用システムは、ドコモの100%子会社で、海外向け決済事業を展開するドコモデジタルが開発。Androidタブレット用のアプリで、導入が低コストかつ簡単にでき、「多言語表示、国税率、時差にも対応している」(高木氏)のが特徴だ。店舗では、このアプリをインストールしたタブレットを使い、dポイントカードのバーコードを読み取る仕組みだ。
国際ローミングを訴求する狙いも
ドコモグループの子会社は、プロモーションにも活用する。ロケーションバリューが提供する「tabihapi」というサイトを通じて、プロモーションも展開する。「tabihapiは観光ルートを提案する機能を持っているが、dポイントの開始にあたり、ハワイで使えるdポイントの特集や、dポイント加盟店を回りながら観光できる周遊ルートを追加した」(高木氏)
ドコモには、国際ローミングサービスの利用率拡大につなげていきたいという狙いもある。「キャンペーン情報を取得するには、お客さまからするとスマートフォンが必須になる」(高木氏)ため、データローミングの利用を促進しやすくなる。ドコモでは、1日980円で契約中のデータパックの容量をそのまま海外でも使える、「パケットパック海外オプション」を3月から開始している。
また、パケットパック海外オプションは、キャンペーンで1時間プランの他、割引が受けられる3日プラン、5日間プラン、7日間プランも用意。高木氏は、「Wi-Fiがあるところでご利用したり、海外用Wi-Fiルーターをレンタルしたりする方もいるが、金額的にも、利便性的にもご自身のスマートフォンをお使いいただいた方がいいということをお客さまに提案してきたい」と、この機会に改めてローミングサービスを訴求する方針を語った。
ハワイの加盟店が期待しているのは、dポイントによる集客効果だ。ハワイアン料理を提供するアロハテーブルの担当者によると、ワイキキにある同店は「8割が日本の観光客のお客さま」だいう。「日本で最大の携帯電話会社のドコモさんのポイントが使えることは、確実にメリットになる」と期待をのぞかせた。
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