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ドコモの「dポイント」がマツキヨでも利用可能に 両社の狙いは?ダブルでポイントがたまる

ドコモのポイントサービス「dポイント」が、4月30日からマツモトキヨシで使えるようになる。dポイントとマツキヨポイントの両方がたまる。両社がポイントサービスで協業する狙いは?

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 NTTドコモのポイントサービス「dポイント」が、4月30日からマツモトキヨシホールディングス(以下、マツモトキヨシ)の店舗で利用できるようになる。まずは東名阪エリアの約850店舗が対応し、順次、全国の約1600店まで拡大していく。

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4月18日の発表会では、ポインコ兄弟やマツポリちゃん、中条あやみさんも登場して盛り上げた

 マツモトキヨシでの買い物の際に、dポイントカード(dカード、dカード GOLD、dカード プリペイドも含む)を提示すると、購入額100円(税別、以下同)ごとにdポイントが1ポイントたまる。さらに、マツキヨポイントカードを同時に提示すると、マツキヨポイントも100円につき1ポイントたまる。

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まずは東名阪のマツモトキヨシ店舗でdポイントを導入する
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dポイントとマツキヨポイントカード両方のポイントをためられる

 2018年4月30日から6月30日まで、より多くのポイントがたまるキャンペーンも実施する。dポイントカードを提示すると、通常の3倍となる3%のポイントが、購入額100円ごとにたまる。マツキヨオンラインストアにてd払い(ネット)で購入すると、通常の3倍となる3%のポイントが、購入額100円ごとにたまる。

 これにより、6月30日までは、dポイントの最大6%、マツキヨポイントの1%を合わせた最大7%のポイントが、1回の買い物でたまる。1000円の買い物なら合計70ポイントがたまる計算だ。

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キャンペーンにより、6月30日まで最大7%のポイントがたまる

 dポイントの取り扱い開始を記念して、オリジナルキャラクターのマツキヨポリス(マツポリちゃん)とポインコをデザインした限定dポイントカードを、マツモトキヨシ店舗で配布する。

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マツモトキヨシ限定のdポイントカードが配布される

 マツモトキヨシは、ドコモが提供するバーコード決済サービス「d払い」も、2018年度中に導入する予定で、既にシステム構築は進んでいるという。

 ドコモとマツモトキヨシは、2017年8月30日に業務提携を発表しており、今回のdポイント導入は、その一環の取り組みとなる。

 NTTドコモの吉澤和弘社長は、「お客さまが日常的に使うドラッグストア、しかもマツモトキヨシでdポイントを使えることは、大きな意味を持つ。業務提携を発表してから、早くdポイントを使えるようにしてほしいという多くの声をいただいているので、dポイントをますますお得で便利に使っていただける」と期待を寄せた。

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NTTドコモの吉澤和弘社長

 dポイントは2018年4月18日時点で、実店舗では112社、3万1300店舗で導入しており、ECサイトは93社、106サイトで導入している。2018年3月時点でdポイントのユーザー数は6500万人。dポイントカード登録数は2232万人に上り、2016年度から1.8倍に伸びている。

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dポイントのユーザーは順調に伸びている

 両社の業務提携は「ポイントが使えること」だけでは終わらない。両社が保有する会員基盤と広告媒体を活用した新たなマーケティング施策を展開する予定。マツモトキヨシは約1600店の店舗基盤と約2500万人の会員基盤を、ドコモは約6500万人の会員基盤と約1800万人のカード会員基盤を持っている。各会員のデータを取り込むことで、マーケティングの質と量を向上させられる。

 また、「dポイントカードは登録しているけれど、マツキヨポイントカードは登録していない」という層もいるし、逆もいる。そうした互いに取り込めていない層へのアプローチもできる。

 ドコモはdメニューやメッセージS、マツモトキヨシはアプリやサイトなどから、ユーザーの嗜好(しこう)に合わせた情報を配信していく。先日3キャリアが発表した新たなメッセージサービス「+メッセージ」も、ユーザーへ情報を配信するのに適した手段といえる。

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ドコモとマツモトキヨシの協業内容

 マツモトキヨシ 営業統括本部 営業企画部長の松田崇氏は「協業によって両社のマーケティングはさらに発展する」と話す。マツモトキヨシは、店舗、スマホアプリ、オンラインストアなど幅広い手段でユーザーにアプローチしているが、「購買プロセス(ユーザーが何に興味を持っており、何を考えて買っているのか)の可視化」が弱かったという。

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マツモトキヨシの松田崇氏

 「マツモトキヨシは購買情報の規模、ドコモは購買プロセスの認知、興味、検討の情報を多く持っていることが強み。両社のデータを活用することで、われわれと接点を持つお客さまは飛躍的に増加し、情報の規模はさらに拡大する。購買プロセスが可視化されることでお客さまへの理解が深まり、新商品の開発につなげるなど、マーケティングの質を高められる」(松田氏)

 こうしたマーケティング施策の協業は、2018年秋頃をめどに本格運用していく。

 マツモトキヨシの松本清雄社長は、「ポイントカードを利用するお客さまは、それに比例して売上が増加するという実績がある。6500万のdポイントユーザーにご来店いただくことは、企業として成長する大きな機会」と話す。dポイントは持っているが、マツキヨポイントカードを持っていない層に来店してもらい、会員が増えることで、さらなる売り上げ増が期待される。

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吉澤氏と握手を交わす、マツモトキヨシ松本清雄社長

 ドコモは、ポイントサービスにおいては回線契約ではなく会員基盤を重視する考え。dポイントは他キャリアのユーザーでも利用できる他、5月1日からは、他キャリアでも家族とdポイントを共有できる「ポイント共有グループ」を開始する。「ポイントを活用することで、会員基盤にいろいろなサービスを乗せられる。日本最大級のポイント企業になりたい」と吉澤氏は意気込む。

 これは、ドコモが「中期戦略2020『beyond宣言』」の1つに掲げている「マーケットリーダー宣言」にも関連する。同宣言では、サービス、料金プラン、ポイントプログラムを改善し、dポイントのパートナーを2020年度までに300社以上にすることを目標に掲げている。マツモトキヨシとの提携は、ドコモのマーケットリーダー実現に向けた大きな一歩といえる。

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ドコモとマツモトキヨシの関係者がそろってアピール
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