ファーウェイ製スマホの未来はどうなってしまうのか――キャリアに判断を迫る、アメリカ「国防権限法」:石川温のスマホ業界新聞
ソフトバンクの上場会見で、宮川潤一副社長(CTO)がHuaweiについて言及した。その言葉は、示唆に富むものだった。
宮川CTOのファーウェイに関する話は示唆に富んでいた。
ネットワーク機器だけでなく、ファーウェイ製の端末に関してはどんな扱いになりそうなのかといった話もあったからだ。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年12月22日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
宮川CTOは、政府と端末に関する話もしていたようで、政府の方針では「買う側が選択できるものであれば、(政府として調達に対して)言及するものではない」という考えのようだ。
つまり、キャリアが扱うファーウェイ製スマホに関しては、政府としては特に圧力をかけるわけではなく、自由に販売できることになりそうだ。
ただし、やっかいなことになりそうなのが、アメリカの「国防権限法」の存在だ。2019年8月13日からは「ファーウェイ、ZTEなどを含む5社が製造した部品を組み込む他社製品を調達することを禁止」。さらには2020年8月13日からは「5社の製品を社内で利用している世界中の企業を対象に、いかなる取引もアメリカ政府とはできなくなる」という。
ソフトバンクが直接、アメリカ政府と取引をすることはないだろうが、いまのところ、グループ会社としてスプリントがある。また、ソフトバンクビジョンファンドを通じ、数多くのアメリカ企業に出資している状況にある。
ソフトバンクとしては、社員が社内でファーウェイスマホを利用するのも難しくなるだろうし、製品を調達し、販売することも困難になるだろう。
去年から今年にかけて、ソフトバンクでもファーウェイのMateシリーズが扱われるようになったばかりだ。もちろん、NTTドコモでもP20 Proを扱い始めている。KDDIも同様にファーウェイスマホを扱っているが、国際通信関連でアメリカ政府と取引をする可能性も十分にあるだろう。
日本政府としては、キャリアに対してファーウェイスマホの販売は何ら問題視する要素はないかもしれないが、アメリカ方面を意識するとキャリアとしても扱いづらくなる。
ファーウェイとしては、ようやくキャリア向けに製品を納入できるようになったものの、アメリカ政府の意向に阻まれ、さらに国内では完全分離プランの導入により、高額なファーウェイスマホに割引を適用してキャリアが販売するという道も絶たれようとしている。
今年、世界シェア2位となり、いよいよサムスン電子の背中が見えた矢先に、このような強烈な逆風が吹くとは、ファーウェイ自身も予想外の展開だったはずだ。
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