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「5GはAndroidだけ」 MWC19で感じたQualcommの強いメッセージMWC19 Barcelona(2/2 ページ)

QualcommがMWC19 Barcelonaで、同社のプロセッサを用いた5Gデバイスの最新状況を紹介。5G対応の「Snapdragon 855」を搭載したデバイスは、既に30以上の製品で開発が進んでいる。同社は「5G Only on Android」のメッセージも強く打ち出していた。

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「5G Only on Android」をアピール

 もう1つ、Qualcommがブースや説明会で強くアピールしていたのが「5G Only on Android」のメッセージだ。OPPOの製品発表イベントで「5G is Here.」のプリントされたピチピチのTシャツを着て登場して話題となったQualcommのCristiano Amon社長だが、その公式Tシャツの肩に「5G Only on Android」のメッセージが付与されていたことも話題となっている。


「5G Only on Android」のロゴを強調するQualcomm。公式Tシャツの肩にプリントされている

 これは、Qualcommとの法廷闘争で同社提供の5Gチップを利用できなくなっているAppleならびに(iPhoneなどの)iOSデバイスのことを揶揄(やゆ)しており、現在Appleがパートナーに指名しているIntelが2019年中の5G搭載商用製品リリースが間に合わないことを報告していることから、2019年にリリースされるiPhone新製品での5G対応はほぼ絶望的とみられている。

 Apple側は2019年9月の製品発表において「5Gが使い物にならない理由」を挙げて攻撃してくることが予想されるが、対するQualcommでは「5GはAndroidだけのもの」というメッセージで対抗するのだとみられる。

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 一方で、前述のようにWindows PC向けの5Gデザインも公式発表されたため、2020年初頭には「AndroidだけでなくWindowsも」ということになる。つまり、5Gレースという視点ではAppleは1年以上のリードタイムを余計に要することになるわけだが、2020年後半にはQualcommはスマートフォン向けから産業用途をターゲットとした、真の意味での「5Gの世界」を目指している。これが今回のMWC19 Barcelonaにおける同社の隠れたメッセージなのだろう。


5Gで実現する世界を紹介した未来の展示ステージ。今回は端末フォーカスだったため、工場自動化といった取り組みは全てこちらに集められている
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