インタビュー

「人材開発」が発祥!? ソフトバンクのRPAはこうして生まれた(4/4 ページ)

SynchRoid(シンクロイド)というRPAソリューションを法人に販売しているソフトバンク。このSynchRoid、元々は自社内で使うために開発してきたものだという。担当者に話を聞いてみると、RPAに取り組む意外な背景が見えてきた。

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大切なのは「ビジネスプロセス→技術」

 このように、ソフトバンクのRPA導入は現場主導となるように進められた。

 木村氏は「モノ(技術)売りから入ってしまうと、業務上の課題を抽出したり解決したりすることが難しくなりがち」と語る。「『このプロセスにはどういう技術が最適かな?』と考えることが大事」ともいう。

 要するにビジネスプロセス(業務過程)が最適な技術を決めるということ。技術ありきでは、業務が抱える課題を抽出したり解決することが難しくなってしまう。一方、プロセスごとに必要な技術を検討すれば「ここはRPA(SynchRoid)」「そこは別の技術」といったような柔軟な姿勢で業務を効率化できる。

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RPAを含む新技術導入は技術そのものではなく、あくまでもビジネスプロセスを重視すべきだという

 木村氏はRPAの導入に臨む上で“スタンス”も重要だという。

 例えば、超過勤務(残業)が問題となっている部署で業務改善を検討しようとする。そのような部署はすでに自分のことで“いっぱいいっぱい”になっており、他の事にリソースを割くことは難しい。そこにRPAを運用・構築……となったら大変なことになってしまう。

 そういう時、木村氏は「業務改善はともかくとして、業務を(可能な範囲で)単純に自動化して、まず超過勤務の解消を目指す」提案をするという。時間的な余裕が生まれたら業務の効率化に向けてプロセスの再検討を行う、というアプローチだ。これは先述の法人の携帯電話契約の業務改善にも通じるものだ。

 「働き方改革のために超過勤務を行う」というのは本末転倒。課題を1つ1つ着実に解決していくことが大切なのだ。


「かけ声だけに終わらせない『働き方改革』の実現」には、技術ありきの姿勢は良くないというスタンスが重要
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