全容が見えた「au PAY」 競合サービスにはない特長とは?(1/2 ページ)
コード決済「au PAY」が4月9日にスタートする。競合の「○○ペイ」にはない強みはどこにあるのか? 既に物理カードの決済サービスや非接触決済サービスを提供しているKDDIが、なぜコード決済を提供するのか?
KDDIが4月9日にコード決済サービス「au PAY」を開始する。同社はかねてコード決済を開始することを予告していたが、その具体的な内容がようやく判明した。
2018年以降、さまざまなプレーヤーが「○○ペイ」と名の付くコード決済サービスを導入しているが、その中でau PAYの強みはどこにあるのか。
auの決済サービスとしては、au WALLETのプリペイドカードとクレジットカード、これらを利用した非接触決済サービスとしてApple Pay(iOS向け)を既に導入しているが、なぜあえてコード決済を追加するのか。
4月4日に開催した発表会で、KDDI 取締役執行役員専務 コンシューマ事業本部長の東海林崇氏と、ライフデザイン事業本部 新規ビジネス推進本部 副本部長の中井武志氏が説明した。
1000億円強のポイント+残高がある
現在、auユーザーには1000億円超のau WALLET ポイントとau WALLETチャージ残高がある。au WALLET ポイントは毎月のau携帯利用の他、auひかりやauでんきの利用、ショッピングサイト「Wowma!」の利用でもたまるため、これらのサービスをたくさん使う人ほど自然にポイントがたまりやすい。実際、1000ポイント以上をためているユーザーは1400万人超、1万ポイント以上をためているユーザーは約100万人いる。
ただ、たまったポイントを使わない人も多いため、こうした“埋蔵ポイント”を積極的に使ってもらうための出口として、au PAYを開始した。KDDIがコード決済に注力するというよりは、キャッシュレスを推進するという前提のもと、「出口(支払い)の選択肢を増やした」と中井氏は説明する。
au PAYは、au WALLETアプリをバージョンアップすることで利用できる。新たなau WALLETアプリは、トップ画面の「ホーム」からチャージ、バーコードの表示、送金などの操作が可能。東海林氏は「トップ画面から1タップで決済ができる」と利便性の高さを説明。アプリを最初に起動する際、au IDでログインをすれば、すぐに利用を始められる。
クレジットカードやプリペイドカードを事前に登録する必要のあるApple PayやQUICPayよりはハードルが低いので、これまでカード決済やスマホ決済を使ってこなかったユーザーを取り込めることが期待される。
au PAYは、現時点ではauユーザーのみが利用できるサービスだが、2019年夏にau IDをau以外のユーザーにも開放するタイミングで、au PAYも利用できるようになる予定。
【訂正:2019年4月5日23時8分 初出時に、au IDの開放時期を「2018年夏」としていましたが、正しくは「2019年夏」です。おわびして訂正致します。】
さまざまなチャージ手段を用意
チャージの手段も多く取りそろえた。リアル拠点ではローソンとauショップで現金チャージができる他、アプリやWebからはauかんたん決済、au WALLET ポイント、クレジットカード、じぶん銀行などからチャージができる。じぶん銀行以外からの銀行チャージについては「検討はしているが、いつ始められるかは申し上げられない」(中井氏)とのこと。2019年夏からは、セブン銀行ATMでの現金チャージや、残高不足時にauかんたん決済でのオートチャージにも対応する予定だ。
キャリア決済によるオートチャージは、競合の「d払い」や「PayPay」が実現していないこともあり、中井氏は「イチオシの機能」と言う。auに契約している全ての人が対象になり、しかも後払いで済むことから、「特長のあるサービスだと思う」と同氏。
もう1つユニークなチャージ手段として、2019年4月下旬から、au WALLET残高にチャージをする形で借り入れができる「au WALLET スマートローン」を提供する。金額は1万円~50万円で、金利手数料は8~18%。申し込みはau WALLETアプリからできるので、スマホ1つで手軽に借り入れができる。
ポイントを使う新たな手段として、資産運用を疑似体験できる「au WALLET ポイント運用」も開始する。
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