“トリプルキャリア”のメリットとは? Xperiaの扱いは? 「nuroモバイル」の戦略を聞く:MVNOに聞く(2/3 ページ)
5月からau回線を加えて3キャリアを扱うMVNOサービスとなった「nuroモバイル」。料金プランは、2018年10月に導入された3つの容量から選べるスタイルを踏襲。なぜnuroモバイルはトリプルキャリア化を推し進めたのか? その背景を聞いた。
新料金プランで申込件数が160%アップ
―― 次に、料金プラン改定から今までの動向をうかがえればと思います。あの料金改定は成功だったのでしょうか。
神山氏 実際、申し込みの件数は160%アップし、この数字は継続して今も上っています。リニューアルして分かりやすくなったのが、お客さまにとってよかったと思っています。方や「特徴がなくなった」という声もありましたが、比較するときは、他社と同じようなプランの方が比較しやすいですし、そういったサイトもあります。結果的には、シンプルにした方がお客さまにとって選びやすくなります。
既存のお客さま向けのサービスを止めたわけではないので、そこに対する反発もありませんでした。ご評価いただいている事実はあるので、すぐに変える必要はないと思います。一方で市場は常に変わっていて、お客さまのニーズも変化するものなので、お声を拾いながら、選ばれやすいMVNOの地位を狙っていきたいですね。
―― どのプランが多いなど、傾向はありますか。
松田氏 やはり、Sプランが一番です。S、M、Lで比較して、通信量が少ない方が選ばれる傾向にあります。
―― 逆に大容量のニーズはありますか。
神山氏 それは、どちらかというとキャリアの独壇場になっています。そこに対抗する体力があるかというと、なかなか難しいですね。
大手キャリアの新料金プランの影響はこれから?
―― キャリアの比率としては、やはり早期に始めたドコモが多いですか?
神山氏 一番大きいのはドコモ回線ですね。歴史もありますし、もともとの市場シェアもあります。ソフトバンク回線はauより先にやっているので、認知度も高く、参入されているMVNOも少ないので、一定数を取れています。auは最後なので、認知度の向上はこれからです。そうはいいながらも、初速という意味では当初考えていた数字は確保できていますので、やってよかったと思っています。
―― ソフトバンク回線は傘下のLINEモバイルが強く、苦戦しているMVNOもあると聞きます。
神山氏 そこはチャネル(販路)によるところが大きいのではないでしょうか。家電量販店では、人を派遣しているところが強かったりしますからね。われわれはそこまで量販店に強いわけではありませんが、それでも少し影響は受けました。
―― 大手キャリアも、料金を値下げした分離プランを出していますが、その影響はいかがですか。例えば、1GB未満で1980円だと、nuroモバイルのSプラン(ドコモ回線の場合で1400円)と、500円しか差がなくなってしまいます。
神山氏 当然、新プランはドコモさんもこれからプロモーションを強化されていくと思いますが、今すぐに何か影響があるわけではなく、そこまでは心配していません。とはいいながらも、今後、本格的に各キャリアが分離プランを出してくる状況は注視しながら、どういう対応策が必要なのかを考えていきます。一方で、大容量プランやSNS使い放題のようなプランは、MVNOにはハードルが高く、その理由の1つには経済的な条件があると考えています。
キャリア回線ごとに料金が異なるのはなぜ?
―― 料金が回線ごとに異なっていますが、少し分かりづらい印象もあります。これは、なぜでしょうか。
神山氏 コスト構造からすると、ソフトバンクとauで、接続料はほぼ変わりません。本来なら、ソフトバンク回線とau回線は同じ料金にしたかったのですが、au回線には先行するMVNOもいます。そこの料金プランを見たとき、2GBのSプランはここまで踏み込まないと、せっかく導入しても競争力が保てません。そのため、今回はちょっと分かりづらいかもしれませんが、がんばって少し下げた形になります。
―― 同時に、競合対抗で、ソフトバンクのMプランも値下げしましたが、既存のユーザーにも自動で値下げが適用されます。これは、収益に影響は出ないのでしょうか。
神山氏 これもauの話と同じで、選んでいただくためには、少し高かった。当初は最適かと思っていたのですが。プラン改定をしてから、まだ日がそこまでたっていません。結果として、売り上げへのインパクトがそこまで大きくないからできたともいえます。
松田氏 既存のお客さまにも納得いただけるところで、新プランで自動的に安くなるようにしました。
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