“トリプルキャリア”のメリットとは? Xperiaの扱いは? 「nuroモバイル」の戦略を聞く:MVNOに聞く(3/3 ページ)
5月からau回線を加えて3キャリアを扱うMVNOサービスとなった「nuroモバイル」。料金プランは、2018年10月に導入された3つの容量から選べるスタイルを踏襲。なぜnuroモバイルはトリプルキャリア化を推し進めたのか? その背景を聞いた。
「Xperia」の扱いは継続的に検討している
―― 最初のお話に戻ってしまいますが、SIMカードのみの人が8割という比率は高いですね。MVNOによってこの傾向は大きく分かれますが、なぜここまで高いのでしょうか。
神山氏 売り方はあるのかもしれません。mineoさんや楽天モバイルさんなど、リアル店舗を持っているところは端末も含めて設定のサポートができる強みがあります。そういう意味では、大手キャリアのショップに行くのと同じような感覚で、端末を一緒に買っているのかもしれません。弊社の場合、リアル店舗も量販店にはありますが、量販店には私どもの端末はありません。そういった意味で、Web中心だとどうしてもこういう比率になってくるのだと思います。
―― 端末の販売で売り上げが増えているMVNOもありますが、そういった方向には行かないのでしょうか。
神山氏 前回、「Xperia XZ Premium」をやって完売していますので、グループとして、何かを売っていくことはあると思っています。今後のXperiaについては、継続的に検討しています。
―― プレミアム帯域オプションのサービスも面白いと思いました。あれを全端末に拡大するのは、やはり難しいのでしょうか。
神山氏 プレミアム帯域は、端末自体が若干お高いこともあり、品質を求められるお客さまが一定数いて、選ばれているサービスです。やはり全ての端末にはできないですね。安い端末を選ばれる方は、値段的な部分を求めることも多いですから。今後をどうするかは戦略によるところもありますが、どう市場に打ち出せば選んでいただきやすくなるかが重要です。
―― プレミアム帯域オプションもそうですが、データ容量の前借りなども、新プランや追加になったau回線で使えるのでしょうか。“ギガ不足”が話題になっているぐらいなので、そこは差別化になっていると思いますが。
神山氏 全キャリアの回線に、前借りの機能は残しています。ただ、あまりいろいろなメッセージを打ち出しすぎると分かりづらくなってしまうので、あえて強調はしていません。今回は、既存のサービスは残しながら、キャリアだけを追加しています。
取材を終えて:トリプルキャリアを生かしたサービスにも期待
トリプルキャリア化しているMVNOは、まだ数えるほどしかない。ここがnuroモバイルにとって、差別化のポイントになっているようだ。先行して3キャリアの回線をそろえたMVNOの話を踏まえると、やはりまだ“SIMロック解除の壁”は高いようだ。また、nuroモバイルは子会社がMVNEを展開していることも、回線を増やしたモチベーションになっているようだ。確かに、MVNOに卸すことを考えると、その方が選択肢を提示しやすくなる。
一方で、同じnuroモバイル内で回線が違うと、パケットギフトが送れなくなるのはやはり不便。3キャリアそろえることを優先したというが、異なる回線をそろえて1社で扱えるのは、MVNOならではの強みだ。この特徴を生かしたサービス開発にも、期待したい。
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