「iOS 13」は何が変わった? パブリックβ版で「ダークモード」や新「写真」アプリを試す:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
Appleは、6月25日の未明に「iOS 13」のパブリックβ版を公開した。iOS 13は、ダークモード、機械学習に対応した写真アプリ、より精緻になったマップアプリなどが特徴だ。このパブリックβ版をいち早く実機にインストールして使ってみた。
ベストな写真をすぐに探せる「写真」アプリ、セルフィーにも新機能が
撮った写真やスクリーンショットなどを閲覧するための写真アプリも、iOS 13で大きく改善された。ポイントは、機械学習を活用していること。新たにできた「年別」「月別」「日別」のタブをタップすると、それぞれの年や月のオススメの写真(とiPhone側に判断された写真)が自動で表示される。確かにスクリーンショットなどは省かれているため、写真で過去の思い出を振り返るのによさそうだ。
もちろん、記録したスクリーンショットを使いたいというときもある。このようなときは、「すべての写真」のタブをタップすると、従来のアルバムで「カメラロール」を開いたときのように、写真やビデオ、スクリーンショットが時系列にズラリと並ぶ形になる。代わりに、「アルバム」タブから「カメラロール」を開くことはできなくなった。このUIにも改善が加えられており、ピンチイン・ピンチアウトでサムネイルのサイズを変更できる。
もともと写真アプリでは、ビデオのトリミングはできたが、回転や傾きの調整、フィルターをかけることも可能になった。露出やハイライト、シャドーなどの調整もでき、かなり本格的だ。撮ったビデオの編集は、Apple純正アプリの「iMovie」でもできたが、やはり写真アプリからできる方が手軽でいい。編集のUIも写真を加工するのに近く、直感的に操作できる。アプリを使えばできたことではあるが、写真アプリは、写真や動画を閲覧する際の起点となるだけに、ここで直接編集までできるのはうれしい進化といえる。
当初は非常にシンプルだったiOSの写真アプリだが、新機能が加わるたびに、UIが徐々に複雑になっていった印象を受ける。機械学習の力を借りながら、これを大胆にリニューアルしたのが、iOS 13の写真アプリといえる。率直に言って、かなり写真やビデオが見やすくなった印象を受ける。
写真に関しては、写真アプリだけでなく、ポートレートモードにも新機能が加わっている。ポートレートライティングの照明が、それだ。ポートレートライティングとは、「スタジオ照明」や「ステージ照明」といった照明効果を加える機能だが、その光の強さを手動で変更できるようになった。光量を上げ、“飛ばし気味”にすると、肌のくすみや凹凸感などが目立ちにくくなるため、よりキレイに見える写真が撮れる。特にセルフィー撮影時に効果てきめんの機能で、これは、いわばApple流の“美肌モード”だ。
これまでのiPhoneのカメラは、傾向として、ありのままを切り取ることを志向しており、ともすると、セルフィーが生々しく見えるきらいもあった。一方で、SNSなどでのトレンドを見ても分かる通り、写真には、ある程度の補正をかけるのが主流になりつつある他、Android端末の一部には、顔を輪郭レベルまで補正する機能も搭載されている。ポートレートライティングはそこまで露骨に加工を加える機能ではないが、補正効果は高く、実用的なアップデートといえる。
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