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「iOS 13」は何が変わった? パブリックβ版で「ダークモード」や新「写真」アプリを試す石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

Appleは、6月25日の未明に「iOS 13」のパブリックβ版を公開した。iOS 13は、ダークモード、機械学習に対応した写真アプリ、より精緻になったマップアプリなどが特徴だ。このパブリックβ版をいち早く実機にインストールして使ってみた。

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使い勝手が大きく上った「リマインダー」「ファイル」「マップ」

 「リマインダー」アプリも、iOS 13で大幅に機能が向上した内蔵アプリの1つだ。アプリを開いたときの画面が刷新され、設定したリマインダーが何件あるのかが、一目で分かるようになった。時間や場所を指定は、「!」マークをタップして詳細を開く必要がなくなり、時計マークのアイコンや位置情報のアイコンをタップするだけで、選択肢が表示されるようになった。細かくリマインダーの設定をしようとしたときの手間が減った格好だ。


リマインダーは、入力が簡単になった

 また、「メッセージ時に通知」という項目も加わっている。この設定は詳細からしかできないが、オンにしておくと、登録した相手とメッセージをやりとりしているときに、リマインダーが表示される。対応しているのが標準のメッセージアプリだけで、メールやサードパーティーのメッセンジャーアプリに非対応なのは残念だが、メッセージをやりとりしているときに、相手に伝えなければいけない用件を思い出すことができて便利だ。


メッセージをトリガーに、リマインダーの通知を表示させることができる

 WWDCではiPadOSの機能として紹介された「ファイル」アプリも、機能が刷新され、ファイラーとして使えるレベルになっている印象を受けた。ZIPの圧縮、解凍に対応しているため、メールで送られてきたZIPファイルの中身を見られる他、ファイルサーバに対応したり、Safariからダウンロードしたファイルを1カ所にまとめておけたりと、さまざまな新機能が加わっている。細かな点だが、内蔵ストレージの直下にフォルダを作成できるようになったのも、うれしい改善といえる。

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ファイルアプリも刷新され、ZIP形式での圧縮・解凍などに対応した

 マップアプリには、「コレクション」と呼ばれる機能が追加された。これは、お気に入りをジャンルや用途ごとに整理できる機能で、他のユーザーにまとめて共有することもできる。これまでは「よく使う項目」にしか、お店などの場所を登録できなかったが、コレクションの登場で、より実用的に使えるようになった。地図データそのものも改善される予定だが、日本の対応は2020年の予定。Apple版ストリートビューともいえる「Look Around」も、現時点では対応していないが、米国の地図を表示すると利用できるため、訪問先をあらかじめ調べておくときなどに活用できそうだ。

コレクション機能で、場所を用途ごとに登録できるようになった(写真=左)。米国の地図を開くと、Look Aroundが利用できる(写真=右)

 全体を通して見ると、iOS 13はかなりの大型のアップデートであることが分かる。ダークモードのような新機能だけでなく、写真アプリやリマインダー、ファイル、マップなどの既存アプリも、UIが見直され、使い勝手が改善した印象だ。こうしたUIの刷新は、共有メニューなど細かなところにまで及ぶ。WWDCで発表された際には、iOSから“独立”したiPadOSが注目を集めがちだったが、iOS 13も進化の幅は大きい。秋の正式配信が、今から楽しみだ。

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