ユーザー数900万、加盟店70万を突破 PayPayが放つ次の一手とは?:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
「SoftBank World 2019」で同社グループのPayPay副社長の馬場一氏が最新戦略を語った。馬場氏によると、7月18日にPayPayは900万加入を達成。「間もなく1000万になる」と自信をのぞかせた。店舗とユーザーの接点を強化する機能を実装していくのが今後の目標だという。
店舗とユーザーの「タッチポイント」になることを目指すPayPay
次にPayPayが目指すのは、店舗とユーザーの接点を強化することだ。馬場氏は、店舗側から「お客さまとの接点を持ちたいという声があった」と明かす。一方で、「中小の店舗だと、システムを作るのは金額も大きく、不正アクセスの心配もある。個人情報の管理も大変」と、課題は多い。これらを解決するソリューションを提供していくのが、PayPayの“次の一手”だ。
馬場氏が講演で紹介した新機能は、次の3点になる。1つ目が、クーポン機能だ。「例えばヤフーにクーポンを表示させ、それを取得すれば、自動的に割引が受けられるようにする」といい、実現すれば、店舗側が集客のツールとして使えるようになる。紹介されたスクリーンショットを見ると、コードを表示させた画面で、クーポンの適用・非適用をユーザー側が設定できるようだ。
ショップアカウントが、2つ目の機能だ。店舗がアカウントを持ち、定期的に情報を発信できるようになる。ユーザー側は、そのアカウントをフォローすることで、店舗の最新情報を入手できる。来店回数に応じて特典を用意する、スタンプカードのような仕組みも用意されるようだ。同様の機能は、LINE Payを擁するLINEも導入していたが、PayPayもこれに追随する格好になる。店舗から、PayPay経由でメッセージを出すことも可能になるという。
馬場氏によると、メッセージは購買データを元に出し分けることも可能になるとしながら、「ロイヤルカスターの方だけに何かプレゼントしたり、逆に1回しか来店していない方にメッセージを流せるツールも、作っていきたい」と語った。
3つ目は、一部が既に発表、導入されているものになるが、グループ内サービス連携強化していく。例えば、「DiDiでの支払いも、将来的にはPayPayの中でDiDiを呼び、決済まで済ませられるようにすることを考えている」という。ヤフオクなど、ヤフーのサービスとの連携も深めていくという。具体的な中身には触れられなかったが、「ワリカンや残高の送金も拡充し、より便利に使えるようにしていく」という。
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