「TORQUEを出したらカシオさんが喜んでくれた」 京セラに聞く、タフネス携帯の歴史(3/3 ページ)
京セラの高耐久ケータイとスマートフォンの累計集荷台数が1000万を突破した。京セラがタフネス携帯の開発を始めた経緯、各ブランドの違い、耐久性能にまつわる京セラならではの技術、ユーザー属性などについて聞いた。
最新モデルに対する思い、他社にない強み
―― いよいよ最新モデル「TORQUE G04」が発売されますが、強みやこだわりポイントを教えてください。
三輪氏 G04では、カタログ等では表れませんが、基板の素材から見直して剛性を強化しています。お客さまの要望も含めて設計してきました。
本多氏 もちろん最新モデルだけでなく、三洋時代の頃からキーの押しやすさや、スピーカーの音量、画面の見やすさなど、耐久性だけでなくあらゆることを追求してきました。
三輪氏 単にデザイン性や自分達の要望だけをかなえる製品は作ってきませんでした。現場で今何が求められるのかなど、市場のニーズも重視しながら試行錯誤してきた経緯があります。その思想は今後も変わらず続けていきたいです。
最近では、MIL規格も他社でも採用されることが多くなりましたが、弊社の社内基準は厳しめに設定しています。MILに加えて独自の落下試験を実施することで、落下した後でも防水性能を維持できるように工夫しています。
取材を終えて:剛性の高さを極めた京セラの凄さを感じた
京セラが国内で展開しているTORQUEシリーズは、2019年で5周年という節目を迎えた。高い耐久性はもちろん、TORQUE G02からは海に潜って水中撮影ができる機能を搭載するなど、他社がやらないような工夫も多数あり、最新情報を追っていて本気で面白いと思える製品の1つだ。
インタビューをして最も驚いたのは、サファイアガラスを採用したモデルが海外に存在していたこと。ほとんどのメーカーは携帯性を重視して、重さをある程度、抑える工夫をしている。傷のクレームを理由に重さ覚悟でサファイアガラスを採用したことは思い切った選択だと思う。
日本でそのようなモデルが出る可能性は低いが、京セラのタフネスシリーズは、それぞれの国や地域ごとに合わせて進化してきたことが分かる。巨大な市場に合わせた米国ならではの仕様。日本のように海に囲まれた島国では、海水に耐えられる仕様が求められる。
今後、日本や海外でどんなタフネス携帯が登場するかが楽しみだが、国内ではTORQUE G04の発売を待ちたい。
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