Pixel4に新搭載された60GHz「Motion Sense」――日本では総務省の検討会次第で2020年春までお預け:石川温のスマホ業界新聞
Googleが「Pixel 4」「Pixel 4 XL」を発表した。目玉機能の1つである「Motion Sense(モーションセンス)」は、日本では当面の間使えない。動きの検知に60GHz帯の電波を使っているからだ。
今回、発表になったグーグル・Pixel 4。去年、Pixel 3では、日本向けはおサイフケータイに対応するもののeSIMには非対応といった、ちょっぴり残念な仕様であったが、今年はおサイフケータイもeSIMも搭載されるなど、iPhoneに見劣りしないスペックになったのは嬉しいところだ。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年10月19日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額500円・税別)の申し込みはこちらから。
今年、Pixel 4では、新たに開発された「Soliレーダー」による「Motion Sense」が搭載されている。本体の前で手を左右に振ると音楽プレイヤーなどでは楽曲の先送りなどが行えるというものだ。
顔認証においては、ユーザーが本体を見る前からMotion Senseがユーザーの動きを捉え、早い段階から顔認証が動き出すという。
残念ながら、このSoliレーダー、日本では法律の関係もあって使えない。60GHzの周波数帯の利用が認められていないのだ。
しかし、グーグルでは「2020年春から日本でも使える」とアピールしている。実は総務省ではすでにスマホに60GHzのレーダーが搭載されるとあって、日本でも利用できるように検討会が設けられ、準備が進んでいる。
グーグルでも「総務省で対応が進んでいる」としており、この結論が出て、国内で利用できるようになるのが2020年春以降というわけだ。
日本で発売されるPixel 4にはすでにSoliレーダーは搭載済み。どうやら位置情報などを測位して、日本では使えなくしている模様だ。そのため、対象国に持ち込めば日本版でもSoliレーダーが使えるようだ。2020年春以降は、ソフトウェアのバージョンアップによって、日本でも使えるようになる。
ただ、記者会見場で実際にMotion Senseを使ってみたが、反応はイマイチ。操作にまだ慣れていないからかも知れないが、「これだったら、画面を直接触ったほうが早くない?」という印象だった。
ただ、顔認証の反応が速くなるということで、このあたりはしらずしらずに恩恵を受けることになりそうだ。
「画面を触らず操作できる」という機能は、LGエレクトロニクスなどもフロントカメラで実現していた。その時も、ちょっと試した限りでは「反応が悪くて、イライラする」程度のものにしかなっていなかった。
果たして、60GHzのレーダーを使った「Motion Sense」がどれだけの使い勝手なのか。2020年春がちょっと待ち遠しい。
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