シャープが8Kビデオカメラ搭載の5Gスマホを開発 2020年は“8K+5G、AIoT”が主軸に:CES 2020
シャープは、米ラスベガスで開催中のCES 2020にて、8Kビデオカメラを搭載する5Gスマートフォンを開発していることを明らかにした。超解像技術を用いることで、30Mbps程度の速度でも8K画像の安定した伝送が実現するという。製品の詳細や発売時期は未定だが、日本向けには2020年に発売される可能性が高い。
シャープは、米ラスベガスで開催中のCES 2020にてプレス向けカンファレンスを開催した。そこで、8Kビデオカメラを搭載する5Gスマートフォンを開発していることを明らかにした。製品の詳細や発売時期は未定だが、日本向けには2020年に発売される可能性が高い。
シャープは2019年、4年ぶりにCESに出展しており、2年続けての出展となった。開幕初日の1月7日に同社ブースで開催されたプレスカンファレンスには、取締役 副社長執行委員 ICTグループ長の石田佳久氏が登壇した。
石田氏はまず、ここ数年のシャープのビジネス戦略について説明した。8K、5G、AIoTに焦点を当て、主に8つの事業分野(産業、セキュリティ、スマートオフィス、エンターテインメント、健康、自動車、教育、スマートホーム)での製品やサービスに注力してきたことをアピールし、CES 2020のテーマを「Realize(実現)」と語った。
そうした流れで、シャープが8K+5Gの分野での新しい挑戦の1つとして発表したのが「8K+5Gスマートフォン」だ。石田氏は、それによって「新しいスタイルのファシリティを提案する」と述べた。具体的には、高速・大容量の通信が行える5Gによって、8Kカメラで撮ったワイドで鮮明な映像を、すぐに何百人もの人と共有できると説明した。
それを実現するための技術開発に取り組んでいることにも言及した。例えば、8K映像の転送には100Mbps以上の通信速度が必要となるが、5Gとはいえ、常に100Mbpsの速度が得られるとは限らない。しかし、超解像技術を用いることで、30Mbps程度の速度でも8K映像の安定した伝送が実現するという。2019年9月には、8Kコンテンツを時速283Kmで走る新幹線の車両に送信する実験を行い、成功したことも紹介された。
石田氏は、最後に8K+5Gソリューションの事例を紹介し、最後に「8K+5GとAIoTによって世界を変える」と強調した。
石田氏はカンファレンスの終了後、日本メディアの囲み取材に応じた。そこで、8K+5Gスマートフォンの発売時期や海外展開について質問が出た。日本では今春から5Gの商用サービスが始まるが、それに合わせて発売するか否かについては、「通信事業者が販売するもの」との理由で明確な回答を避けた。ただし、現時点では全ての5Gスマホに8Kカメラを搭載することを検討しているとのこと。海外展開については、「日本だけでなく、既に事業を展開している欧州や台湾、そしてASEANでの展開も視野に入れている」と答えた。
CES 2020のシャープのブースは、「8K+5Gエコシステム」「AIoTワールド」「Business」の3カテゴリーで構成されている。その中で、最も広いスペースが使われているのが「8K+5Gエコシステム」だ。そこでは8Kディスプレイや8K+5Gソリューション(映像編集や映像伝送など)の他に、日本向けの5Gプレサービスで使われているスマートフォンとルーターも参考展示されていた。
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