ニュース

なぜ「ミドルレンジ5G」はない? なぜ「容量無制限」はキャンペーン? エリア狭すぎない?――「docomo 5G」記者会見の質疑応答まとめ(1/3 ページ)

NTTドコモが3月25日に5G通信サービスを開始する。それに先だって、3月18日に報道関係者が担当者に質問する機会が設けられた。この記事では、筆者が参加した回次の主なやりとりを紹介する。

 既報の通り、NTTドコモは3月25日から5G(第5世代移動通信システム)の商用通信サービスを開始する。対応端末の第1弾として、同日には「Galaxy S20 5G SC-51A」と「AQUOS R5G SH-51A」も発売される。

 3月18日、同社の5Gサービスや新端末などに関する質疑応答が数回に分けて開催された。応答者は、太口努氏(5G事業推進室長)、田畑智也氏(料金制度室長)、尾上健二氏(スマートライフ推進部長)、渡邉正明氏(プロダクト企画担当部長)、中南直樹氏(設備企画担当部長)、有田浩之氏(ソリューション営業推進担当部長)の6人。

 この記事では、筆者が参加した回次における主な質疑を簡単にまとめる。

advertisement

質疑に臨むNTTドコモの担当者

端末について

―― ドコモの5Gスマートフォンのラインアップを見ると、ソフトバンクとは異なりミドルレンジモデルがありません。5G通信サービスの普及には手頃な端末も必要かと思うのですが、開始のタイミングでハイエンド端末に絞った理由を教えてください。

渡邉氏 ご指摘の通り、今回の5Gスマートフォンは、全てハイエンドで統一しています。5Gの一番の魅力である「高速・大容量」を感じられるのは(通信面以外のスペックも高い)ハイエンド端末だろうという認識のもと、そのようにしました。

 ただ、私たちの「2023年までに(5G回線を)2000万契約」という目標を達成する上において、性能と価格のバランスを取ったスタンダードモデル(エントリーやミドルレンジ)も重要だと考えています。なるべく早いタイミング、できれば今年(2020年)中に投入できるよう、準備を進めています


今回の5G対応端末は、ルーターを含めてハイエンド寄りのラインアップとなっている。今後は、スタンダードスマートフォンも発売する予定だという

―― 初期段階の5Gサービスエリアは、「エリア」というよりは「スポット」になっています。5G端末をユーザーにどのように訴求していくのでしょうか。例えば、LTEしか使えないエリアでは「LTEでも使えるし、今までよりも高性能だよ!」といったアピールをするのでしょうか。

渡邉氏 おっしゃるような形も1つの方向性だと思っています。(今回投入する)5Gスマホは、スマホとしての機能も向上しています。LTEエリアでは「より優れた機能を持つスマホ」として、5Gエリアではそれに加えて「高速・大容量な通信と、それに付随するサービスを使う」といった具合で、エリアの広がりと共に後者のようなアピールを増やしていくことになると思います。

―― 「Galaxy S20+ 5G Olympic Games Editon」について、東京2020オリンピックが延期または中止となった場合でも発売はするのでしょうか。

渡邉氏 そうならないことを祈っていますが、今の所は予定通り発売します。万が一、そのような状況になってしまった場合は、再度検討をすることになります。

―― 今回は、5G端末に加えてLTE端末も5機種発表されています。これは、5月あたりはゆっくりできるという解釈で良いですか。(筆者注:例年、ドコモは5月に夏モデルの発表会を実施している)

太口氏 通常ですと、私たちは「新商品・新サービス発表会」と銘打って発表会をしていますが、今回はそれに「5G」を冠したものとなります。例年の春以降に行っている(夏モデルの)発表会を、5Gサービスの発表会と合わせて実施したという形です。

 今後、発表会などのイベントは都度都度ご案内することになると思うので、ご期待ください。


端末に関する質疑に応じる渡邉氏
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.