「Xperia 1 II」のカメラを試す(後編) 専用アプリ「Photography Pro」の実力は?:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
Xperia 1 IIカメラ機能レビューの後編では、専用のアプリ「Photography Pro」を使っての撮影について、実例をもとにその使い勝手を含めてご紹介していこう。
連写は秒20コマの超高速
連写は何と秒20コマ。それもAF-Cモードでフォーカスを合わせながらの連写だ。
ただし、超高速連写ができるのは24mm相当の広角カメラのみ。他の2つだと連写速度は落ちる。70mmの望遠カメラで高速連写できればよかったのに、と思う。
Photography ProはこのようにデジカメとしてXperia 1 IIの性能を引き出してくれるのだ。
デジカメ的に働くので、スマホカメラならではの背景ぼかしはないし、インカメラにも切り替えられない。そういうときは素直に標準カメラアプリを使うべし。
もう1つ、スマホカメラならではの撮影として「露出を変えながら超高速連写して合成する」オートHDR機能があるのだが、Photography Proではそれもデフォルトではオフで、同社のデジタルカメラの基本機能である「ダイナミックレンジオプティマイザー(DRO)」になっている。でも設定で「オートHDR」を選ぶこともできる。
これはお好みで、だな。
標準カメラアプリとPhotography Proを使い分けるべし
で、Photography ProでXperia 1 IIを使ってみた感想だけど、「うまく標準カメラアプリとPhotography Proを使い分けるべし」ってことだ。
カメラを使い慣れている人はカメラキーの長押しでPhotography Proの方が感覚的にさっと設定できて撮影を楽しめるはず。操作感はとてもよい。
しかもXperia 1 IIならではの高速で賢いAF(特に動物AFは素晴らしい)を堪能しつつ、露出補正やホワイトバランスのマニュアル設定を駆使してイメージ通りの写真を撮れる。特に16mmと24mmがよい。
難点は縦位置撮影をしづらいことくらいか。
フルオートでAIを駆使して「シャッターは自分で押すからあとはカメラが良きに計らう」という方向に走っているスマホカメラとは真逆の「これはスマホであると同時に、Cyber-shotやαの仲間なのだ」という方向性を出してきたソニーの第一歩としてはすごく評価したい。
あとは、αにはあるのに搭載されなかった「ピクチャーエフェクト(アート作品風のエフェクトを加えられる機能)」や「クリエイティブスタイル(画質を調整する機能)」も入れてほしいかな。その辺、アップデートでバージョンアップできるというスマホのよさを生かして、どんどんアップデートしていってほしいなと思うのである。
関連記事
「Xperia 1 II」レビュー 映像・音楽・ゲームの体験に満足も、カメラはユーザーを選ぶ?
Xperia初の5Gモデル「Xperia 1 II」がauとドコモから発売された。21:9の画面サイズを持つ本機だが、その使い勝手はどのように進化したのだろうか。また気になるカメラ機能についても詳しく解説する。「Xperia 1 II」のカメラを試す(前編) 本職デジタルカメラ的な写りが魅力
スマートフォン機能を持つソニーのデジタルカメラ位置づけられている「Xperia 1 II」。このためカメラの実力については、誰もが気になるところだろう。「大三元レンズ」を備えたXperia 1 IIのカメラ機能を、作例とともにご紹介する。「Xperia 1 II」を2週間使って感じた“反転攻勢”の仕上がり ただし内蔵アプリに不満も
初の5G対応Xperiaとして発売される「Xperia 1 II」が、ドコモとauから出そろった。通信方式だけでなく、カメラも大きく進化。デザインもXperia 1より洗練され、“Xperiaの反転攻勢”を支える1台に仕上がっている。2週間ほどメインの端末として使い込んで分かったことをまとめたい。ソニーモバイルに聞く「Xperia 1 II」 5G対応からカメラの進化、イヤフォンジャック復活まで
「Xperia 1 II」は、シリーズで初めて5Gに対応したモデル。特徴的な21:9の4K有機EL画面を前モデルの「Xperia 1」から受け継ぎつつ、カメラには新たに「α」シリーズの操作性や高速連写機能を搭載した。その狙いについて、ソニーモバイルの開発陣に話を聞いた。auの「Xperia 1 II」は5月22日発売 13万3600円(税込み)
KDDIが、ソニーモバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia 1 II SOG01」を5月22日に発売する。価格(税込み)は13万3600円で、「かえトクプログラム」適用後の価格は7万9120円。ソニーのデジタル一眼カメラ「α」の技術を注入しており、20コマ/秒の高速連写や、人物と動物の瞳にピントを合わせる「瞳AF」機能を備える。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.