4~6月期の世界スマートフォン出荷、Huaweiが初のトップに──IDC、Canalys調べ:調査レポート
コロナ禍で世界のスマートフォン出荷台数が減少する中、中国本土で70%のシェアを持つHuaweiが世界シェアで初めてトップに立った。2位はSamsung、「iPhone SE」が好調のAppleが3位だ。
中国Huaweiが2020年第2四半期(4~6月)の世界スマートフォン市場で、韓国Samsung Electronicsを抜いて首位に立った。調査会社のIDCとCanalysが7月30日にそれぞれ発表した調査結果で明らかになった。CanalysによるとHuaweiがトップに立つのは初。コロナ禍で世界全体での総出荷台数が減少する中、復調しつつある中国本土での出荷を伸ばした。
IDCによると、総出荷台数は前年比16.0%減の2億7840万台。コロナ禍の影響が出始めた前四半期よりさらに大幅減となった。
IDCは、パンデミックによる失業率上昇が個人消費に影響したことと、自宅待機やリモートワークの増加でPCやディスプレイなど、スマートフォン以外のテクノロジーの使用が増え、相対的にスマートフォンへの投資が減ったと分析した。
Huaweiの世界での出荷台数は5580万台で、前年同期比で5.1%減少しているが、市場全体の急落により、市場シェアは過去最高の20.0%だった。米国による規制の影響を、中国本土での10%増という大幅な成長で相殺した。
2位に転落したSamsung Electronicsのシェアは19.5%。出荷台数は28.9%減と、減少幅は上位5社中最も大きかった。コロナ禍のピーク時に発売された「Galaxy S20」や「Galaxy Z Flip」は値下げにもかかわらず伸び悩んでいるという。
3位の米Appleは、「iPhone 11」シリーズの安定した需要と、同四半期に発売した「iPhone SE」の好調で出荷台数は11.2%増加した。
中国Xiaomiは4位の座を維持したが、中国とインドで出荷台数が大幅に減少した。インドでは反中国感情が高まっており、出荷台数が50%低下した。
5位は中国OPPOが中国Vivoから奪還した。同社の出荷の約60%が中国国内市場向けで、中国は世界ではコロナ禍からの回復が最も早いとIDCは指摘する。
Canalysの調査では、世界での総出荷台数は14%減の2億8470万台。Huaweiの中国以外への出荷は27%減少したが、中国国内では8%増だった。同社の中国本土でのシェアは70%以上という。
Canalysは、Huaweiが首位に立ったことについて、「新型コロナウイルス感染症の影響がなければ起こらなかったことだ。Huaweiは中国での景気回復を最大限に活用し、一方、中国でのプレゼンスの低いSamsungは、ブラジル、インド、欧米などの主力市場のコロナ禍の影響に直撃された」と語った。
関連記事
2020年度の5G契約数は1185万、5G対応スマホ出荷台数は1333万台に 矢野経済が予測
矢野経済研究所は、6月23日にMNO4社の5Gサービス契約数と5G対応スマートフォン出荷台数を予測。2020年度の契約数は1185万契約、国内出荷台数は1333万台と発表した。HuaweiとXiaomiが“激安5Gスマホ”で一騎打ちの中国 2万円台のモデルも登場
中国で発売されている5Gスマートフォンの価格競争が激化している。通常ブランドと廉価ブランドを分けて展開するHuawei、コスパスマホを投入するXiaomiが一騎打ちを繰り広げている。5Gスマートフォンの低価格化はこれからさらに拍車が掛かるだろう。Google Playに代わる選択肢に Huaweiがアプリストア「AppGallery」や開発基盤「HMS Core」の詳細を発表
Huaweiが独自アプリストア「AppGallery」を発表。AndroidのGoogle Play、iOSのApp Storeに加え、開発者やユーザーの新たな選択肢とする。AppGalleryのラインアップを充実させ、HMSエコシステムを確立するために、アプリ開発者へサポートも充実させる。Apple、2019年第4四半期のスマートフォン世界市場でSamsungを抜いて首位に
「iPhone 11」が好調のAppleが、2019年10~12月期の世界スマートフォン市場で首位の座をSamsungから奪った。2019年通年では中国HuaweiがAppleを抜いてSamsungに次ぐ2位だった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.