5G AndroidからiPhoneまで 秋冬スマホはミッドレンジに注目すべき理由(3/5 ページ)
2020年の秋商戦では4~7万円あたりで購入できる5G対応のミドル~ミドルハイクラスのスマホが中心となりつつある。これは総務省の販売規制の影響だが、各社はどのようなラインアップで商戦に臨もうとしているのか解説する。
カギを握るミッドレンジの5Gチップ
ここからは、秋から冬にかけての5Gミドルハイやミッドレンジはどういったスマホが登場するかを見ていこう。ここで大きく影響してくるのが、スマホの心臓部となる5G対応のプロセッサやモデムを供給するチップメーカー間の競争だ。
5Gでは、当初から複数のメーカーによる5G対応チップの性能や価格面での競争が始まっている。過去の4G開始時のように、米Qualcommが先行した状況とは大きく異なる。実際のところ、スマホにどのメーカーのチップが採用されるかは各国キャリアや5Gネットワークの都合もある。だが、代替となる選択肢を考えられる状況なら、それなりの競争原理を期待できる。
現在5G対応チップを供給している主なメーカーは、「Snapdragon」のQualcommの他、自社で「Exynos」を製造・開発している韓国Samsung Electronics、5Gでは新ブランド「Dimensity」を広く展開する台湾MediaTekなどだ。各社ともハイエンドからミッドレンジまで幅広い5G対応のチップを供給している。
米中対立による制裁措置の影響を受けているHuaweiもそのうちの一社だ。日本市場でも早期に自社開発の5G対応チップ「Kirin 990 5G」搭載のハイエンド「HUAWEI P40 Pro 5G」と、ミドルハイの「HUAWEI P40 lite 5G」という高コストパフォーマンスの製品を投入した。ただし、制裁措置の影響もありGoogleの標準アプリやストアには対応していない。もし制裁措置がなければ、自社の5Gネットワーク設備と5G対応チップを武器に、各国キャリアを通じてさらなるシェア拡大を期待できただろう。
Huaweiは日本市場でもいち早く自社5G対応チップ採用のSIMロックフリーモデルを投入。「HUAWEI P40 lite 5G」は高性能かつ手ごろな価格で魅力的なモデルだ。ただし、HMS(Huawei Mobile Services)のスマホとなり、Googleのアプリやストアは利用できない
ここ最近の5G対応ミッドレンジでの動きをまとめると、大手ではSamsungが「Galaxy A51 5G」と「Galaxy A71 5G」を海外で発売。採用チップは従来同様、国や市場に合わせて自社チップ「Exynos 980」とQualcomm製「Snapdragon 765G」のどちらかを搭載する。日本向け仕様の製品が発売されれば注目を集めそうだ。
中国メーカーのXiaomiとOPPOは、5Gが拡大中の中国向け市場を中心にMediaTek「Dimensity」を採用した高コスパなハイエンドから低価格帯モデルまで多様な製品を投入する。一方、日本のauやソフトバンク向けや、欧州など5Gサービスを開始した国にはSnapdragonを採用した5Gスマホを投入している。Dimensity搭載モデルには魅力的なものも見られるだけに、今後の日本向けの動向が気になるところだ。
Xiaomiは中国向けにMediaTekのハイエンドチップ「Dimensity 1000+」搭載モデル「Xiaomi Redmi K30 Ultra」を発表。Antutuベンチマークで53万と非常に高いスコアを出しながら、1999元(日本円で3万1000円前後)という破格のコストパフォーマンスが魅力だ
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