「iPhone SE(第2世代)」は7や6sからどれだけ進化した? 使い勝手や性能を比較した(1/3 ページ)
「iPhone SE(第2世代)」は、「iPhone 8」から2年半ぶりとなる、4.7型ディスプレイ搭載モデルだ。最新のiPhone11シリーズ並みの高い処理性能を実現しながらも、4万4800円からという低価格に設定されている。「iPhone 8」「iPhone 7」「iPhone 6s」「iPhone SE(第1世代)」などの旧モデルと比較してみた。
「iPhone SE(第2世代)」は、「iPhone 8」から2年半ぶりとなる、4.7型ディスプレイ搭載モデルだ。最新のiPhone11シリーズ並みの高い処理性能を実現しながらも、Apple Storeでの価格は4万4800円から(税別、以下同)と、スマートフォン市場全体で見てもお買い得な価格に設定されている。筆者もAppleのオンラインストアですぐに購入した。
現在「iPhone 8」や「iPhone 7」「iPhone 6s」「iPhone SE(第1世代)」などを使っている人や、家族向けに安価なiPhoneの購入を考えている人にとって魅力的なモデルだ。また、マスクを外さずにロック解除可能な指紋認証の「Touch ID」を理由に購入を考えている人もいるだろう。

左から近年iPhoneの代表的なデザインを並べてみた。4型ディスプレイ(iPhone SE、5sなど)、4.7型ディスプレイ(iPhone 8、7、6s)、同じく4.7型のiPhone SE(第2世代)、6.1型ディスプレイ(iPhone 11、XR)、5.8型ディスプレイ(iPhone 11 Pro、XS、X)となる
そこでこの記事では、実際に購入したiPhone SE(第2世代)をもとに、これまでのiPhone 8やiPhone 7、iPhone 6sと比較してどの程度快適で、お買い得感があるのかを紹介する。店頭での試用が難しい現状、iPhone選びの一助になれば幸いだ。
iPhone SE(第2世代)の基本仕様をチェック
まずはiPhone SE(第2世代)の概要とデザインについて見ていこう。全体的な仕様は、2017年に発売されたiPhone 8をもとに、iPhone 11シリーズと同じ最新プロセッサの「A13 Bionic」を搭載した最新モデルという理解でいい。これに合わせて、カメラなどの仕様も改良されている。操作方法はホームボタンを搭載したiPhone 8以前のモデルと変わりない。


従来モデルと同じく、IP67の防水・防塵(じん)、Suicaやマイナンバーカードを利用できるFeliCaやNFCといった機能にも対応。新たに、電源が切れても約5時間はSuicaなどを利用できる「予備電力機能付きエクスプレスカード」機能も搭載した。ワイヤレス充電Qiや、別売りの「USB-C - Lightningケーブル」とUSB PD対応充電器による急速充電も可能だ。
完全な新機能として、iPhone 11シリーズと同じくnanoSIMとeSIMによるデュアルSIMでの利用にも対応している。
カラーはホワイトとブラック、(PRODUCT)REDを用意。配色はiPhone 11シリーズと統一されており、どのカラーも表側はブラックで、側面のアルミニウムフレームと背面のガラスパネル部分のカラーが異なる。旧式のインタフェースである、ホームボタンを目立たせる必要がないという意味合いもあるのだろう。
価格はApple Storeだと64GBモデルが4万4800円、128GBモデルが4万9800円、256GBモデルが6万800円だ。ドコモやau、ソフトバンクでも近い価格で購入できる。安価かつ普段使いのiPhoneを購入する場合、128GBモデルはストレージ容量にも余裕があり勧めやすい。
では、ディスプレイやカメラなどの各機能について、従来のiPhoneとの違いをより深く見ていこう。
ディスプレイはTrue Toneで色味が良好、3D Touchは触覚タッチに変更
4.7型の液晶ディスプレイ(828×1792ピクセル)は、新モデルの登場ごとにDCI-P3の広色域対応や明るさに関して改良が重ねられている。iPhone SE(第2世代)のディスプレイはiPhone 8からほぼ変化はないが、色の表現力については最新スマホと比べても高品質な部類といっていい。
特に注目なのが「True Tone」だ。iPhone 8やiPhone Xの世代から標準搭載された機能で、周りの照明の色温度に合わせて画面の色温度を自動調節してくれる。この機能があれば、オレンジ色っぽい暖色の照明下で画面が青白く見えるといった状況を解消してくれる。

True Tone が有効だと、右の画面のように周りの照明に合わせて画面表示が最適な色温度に変化する。True Tone非対応のiPhone 7やiPhone 6sだと、暖色の照明下では左のように画面が青白く見えてしまう
細かい機能だが、True Toneがなければいくらキレイな写真や動画を表示しても微妙な発色に見えてしまう。特にiPhone 7やiPhone 6sなどの利用者で写真や動画、ゲームの色合いに不満のある人は、この機能のためだけに買い替えをお勧めしたいほどだ。
iPhone 8までに搭載されていた画面の押し込みを検知する「3D Touch」は、iPhone SE(第2世代)ではiPhone 11シリーズと同じく画面長押しの「触覚タッチ」に変更された。とはいえ、3D Touchの機能の多くはそのまま利用できる。文字入力キーボード上でのフリーカーソル移動操作も、空白キー長押しで利用可能だ。この変更についてはそこまで気にならないだろう。
ステレオスピーカー内蔵、Bluetoothや有線ヘッドフォン環境も充実
内蔵スピーカーはステレオ仕様のものを搭載。大型のiPhone 11シリーズと比べると音の広がりはやや劣るが、それでもスマホの内蔵スピーカーとしては平均点以上の音質と音量を実現している。iPhone 6sやiPhone SE(第1世代)などのモノラルスピーカーと比べると、音楽や動画、ゲームアプリを快適な音で楽しみやすい。

通話の受話スピーカー部と、底面にステレオスピーカーを搭載。音楽や動画、ゲームを迫力ある音で楽しみやすい。イヤフォン端子はないが、ワイヤレス製品が増えたので不便さはあまりない。有線のイヤフォンも、Apple製や他社製のアダプターを介して利用できる
イヤフォン端子はiPhone 7以降と同じく省かれたままだ。とはいえ、2020年の現在はAirPodsをはじめ、Bluetoothワイヤレスイヤフォンが数多く販売されており、不自由さはあまりない。ゲームの遅延を気にする人や、有線で高音質なイヤフォンを使いたい場合、付属のLightning端子に接続するイヤフォンや、別売りのアダプターを使うことで解消できる。
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