5G AndroidからiPhoneまで 秋冬スマホはミッドレンジに注目すべき理由(4/5 ページ)
2020年の秋商戦では4~7万円あたりで購入できる5G対応のミドル~ミドルハイクラスのスマホが中心となりつつある。これは総務省の販売規制の影響だが、各社はどのようなラインアップで商戦に臨もうとしているのか解説する。
Qualcommについては、ミドルハイ向け「Snapdragon 765G」搭載モデルが増えている。冬頃からはミッドレンジ向けに5G対応かつ600番台ながら性能を大幅に向上させたチップ「Snapdragon 690 5G」を搭載したモデルも登場するだろう。シャープの他、LGエレクトロニクスやモトローラ・モビリティなども搭載スマホの開発を表明済みだ。
最大の特徴は、3Dグラフィックの性能の強化だ。従来のSnapdragon 675より60%向上としており、実際にこの性能なら3DグラフィックのゲームやVR・ARアプリもある程度快適に動かせる700番台のチップに限りなく近い性能となる。製造プロセスも8nmと微細化し、CPUコアやAI処理の強化、Wi-Fi 6対応など各機能も進化している。従来の600番台のSnapdragon搭載モデルとは、性能面でかなりの開きが出るだろう。
公開されたスペックによると、Snapdragon 690 5Gは現在4Gのミドルハイ向けに供給されている「Snapdragon 730G」にかなり近い性能と予測される。そこで、Snapdragon 730G を搭載するXiaomiの「Mi Note 10 Lite」と、従来の600番台でベンチマークを比較した。
Mi Note 10 Liteは、日本では現在3万円前後のSIMロックフリーとして販売されている4Gスマホだ。同価格帯のスマホが採用するSnapdragon 665やSnapdragon 630とくらべ、高い処理性能を誇る。
Snapdragon 730Gに対し、従来の600番台のチップは総合性能でもグラフィック性能でもかなりの差がある。だが、Snapdragon 690 5GはSnapdragon 730Gに近い性能になるとみられる
ベンチマークテスト結果を見る限り、実際にSnapdragon 690 5GがSnapdragon 730Gに肉薄する性能であれば、表の通り従来の600番台と比べかなり高い性能を実現することになる。3Dグラフィックを利用した「PUBG Mobile」などのバトルロイヤル系ゲームや、「アイドルマスターシンデレラガールズ」など高画質3DグラフィックのゲームアプリもフルHD解像度である程度快適に動作するだろう。ミッドレンジの性能の底上げがあると、安価である程度高性能なスマホを買いやすくなるだけでなく、5G時代に期待されるスマホ向けコンテンツの発展も期待できる。
Qualcommは、より安価な5Gプロセッサ「Snapdragon 4」シリーズも発表したが、こちらの搭載機が登場するのは2021年からとなる。
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