専門知識がなくてもECサイトを作成可能に 「Squareオンラインビジネス」開始
Squareが10月15日、無料でオンラインショップが作成できる「Squareオンラインビジネス」を日本で提供開始した。誰でも簡単にネットショップが開設でき、サイト構築や決済など必要な機能を専門知識なしで導入できる。導入費用や月額の固定費は不要。
Squareが10月15日、無料でオンラインショップが作成できる「Squareオンラインビジネス」を日本で提供開始した。誰でも簡単にネットショップが開設でき、サイト構築や決済など必要な機能を、専門知識なしで導入できるとしている。導入費用や月額の固定費は不要で、売り上げがあった場合のみ、決済手数料として3.6%が必要となる。
SquareのPOSレジサービスとの連携も可能
新型コロナウイルスの影響で、日本でも小売店や飲食店などのオンライン対応が急速に求められている。店舗への来客の減少に加え、対面販売の機会減少でオンライン化が求められているものの、それに対応するための作業やコストは、特に中小事業者には負担が重い。
それに対してSquareオンラインビジネスは、WebサイトやWebアプリといったサイト制作の技術や知識がなくても、無料で洗練されたデザインのオンラインショップを開設できるサービスだ。手軽に販売できるInstagramのショッピング機能との連携、テークアウトなども設定できる。
解約手数料も掛からず、必要なのは3.6%の決済手数料のみ。しかも振込手数料も不要で、最短翌営業日には入金される。さらに高度な機能が必要な場合は有料の3つのプランを利用できる。
SquareのPOSレジサービスを利用している店舗なら、さらに実店舗を含めた在庫、売り上げ、入金などの管理をまとめて行えるメリットもある。顧客管理もまとめられるため、オンラインの利用者に対して会員証を発行するロイヤリティープログラムやクーポンを提供して実店舗に誘導する、といった施策も行える。
決済リンクボタンの作成やセルフオーダーも
オンラインショップを開設する前に、簡単な商品販売を行いたい場合は「Squareオンラインチェックアウト」も利用できる。既に国内でも7月に開始しているサービスだが、既存のWebサイトに決済ボタンを追加でき、さらにSNSやメッセンジャーにリンクを張ることで商品を販売できるため、まずはオンライン販売の動向をチェックしたいというお試し利用にも向いている。
それに加えてセルフオーダー機能も提供する。既に海外ではリリースされているが、飲食店で利用客がスマートフォンを使い、QRコードを読み込んで注文をして、そのまま支払いができるという機能。グループ客の割り勘も簡単に行えるという。こちらの機能は「もう間もなくリリースする」(米Square、eCommerce部門トップのDavid Rusenko氏)という。
オンラインと店舗連携の課題を解決
これらのサービスにより、コロナ禍でも店員と来店客の接触を抑えながら、オーダーや決済の効率化も実現。さらに今まで、通常の飲食店は顧客の情報を集め切れていなかったが、メールアドレスや電話番号などを管理できるようになり、オンラインと組み合わせてロイヤリティープログラムやクーポンなども発行できるようになる――とRusenko氏は指摘する。
もともと、Squareオンラインビジネスは2007年、Rusenko氏が大学生のときに創業したWeeblyがベースとなっている。2018年にSquareが買収し、同氏はSquareに参画した。Rusenko氏はSquareオンラインビジネスについて「コーディングもいらない、システム設計もいらない。オンラインと店舗を連携させるという課題を、シームレスに、直感的に解決できる」とアピール。
米国を始めとして各国で、店舗の多くが「いずれはオンラインを始める必要がある」と感じていたところ、「今回のコロナ禍がそのトレンドを加速させた」とRusenko氏。必要に迫られるオンライン化、しかも急激な変化に対応することが求められているさなかだが、コロナ以降もこのトレンドは長期的になる――というのがRusenko氏の予測だ。
そのため、コロナ禍の影響から回復するためにオペレーションのさらなる効率化や基盤の強化が必要で、Rusenko氏はそうした点でSquareオンラインビジネスやセルフオーダーといった機能が有効だと強調。さらに今後、Squareとして日本で新たなサービスも提供していきたいと意気込んでいる。
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