4万円台の「Reno 4 Z 5G」は、OPPOのブランド戦略を感じさせる製品:山根康宏の海外モバイル探訪記
OPPOの「Reno 4 Z 5G」は、背面カメラをスクエアな台座に載せながら、4つのカメラのうち、2つをたすき掛けのようなデザインに仕上げています。他社なら「Lite」の名前を付けた製品ですが、OPPOはブランドイメージを損なわないように、あえてLiteを避けたのでしょう。インカメラが2つあり、背景をボカしたセルフィーが可能です。
背面カメラをスクエアな台座に載せながら、4つのカメラのうち、2つをたすき掛けのようなデザインにして、iPhoneとは違うイメージに仕上げた――それがOPPO「Reno 4 Z 5G」です。
OPPOのReno 4シリーズは2020年夏に発表されましたが、このReno 4 Zは価格を抑えたモデルとして9月に発表されたもの。他社なら「Lite」の名前を付けた製品といえます。Liteという名前からは安さがイメージされますが、OPPOはブランドイメージを損なわないように、あえてLiteを避け、Zという名前を付けたのだと思われます。
実はこのモデル、中国では「A92S」として販売されているもの。AシリーズはOPPOの中で下位に位置するモデルですが、グローバルではAシリーズよりRenoシリーズの一員として出すことで、Renoブランドの製品の厚みを増やそうと考えているのかもしれません。OPPOが今後、欧州など先進国で販売数を上げるためには、ブランド力が重要だということを考えていると思わせてくれます。
香港では2999香港ドル、約4万円と5Gスマートフォンとしては買いやすい価格です。ディスプレイは6.57型(1080×2400ピクセル)、120Hzの高速駆動も特徴です。プロセッサはMediaTekのDimensity 800を採用、メモリ8GB、ストレージは128GB。バッテリーは4000mAhです。インカメラはパンチホール式ですが、2つあるため楕円(だえん)状の穴が開いています。
アウトカメラは最高画質が4800万画素ですが、800万画素の超広角に、200万画素のマクロ、200万画素の深度測定と必要十分。個人的には最近のスマートフォンカメラにマクロが搭載されているのは物撮り用に使いやすいと思います。なお、カメラを横から見ると「たすき」のデザイン部分も出っ張っており、ちょっと変わったデザインになっていることが分かります。
アウトカメラは他社の同価格帯のスマートフォンでも同じような組み合わせでしょうか。一方、この価格でインカメラが2つあるのは、ポートレート撮影時に有利です。1600万画素と200万画素の深度測定カメラの組み合わせなので、ボケを効かせたセルフィーがしっかり撮れるのです。
とはいえ、マスクをすることが多い今の状況では、このデュアルインカメラを生かしたセルフィーも顔の表情が隠れてしまうのが残念なところです。まあメインが1600万画素ありますから、室内でのセルフィー撮影にも十分活躍してくれるでしょう。OPPOが数年前から急激に躍進したのはセルフィーカメラ性能によるところが大きかったのも事実。「セルフィーといえばOPPO」を久しぶりに感じさせる製品でした。
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