東日本大震災から10年 ソフトバンクの災害対策はどう進歩した?(2/2 ページ)
東日本大震災から間もなく10年を迎える。同震災をきっかけに、各キャリアは災害対策を強化してきた。この記事では、ソフトバンクにおける取り組みを紹介する。
ソフト面での対策も強化
ここまでの対策は、どちらかというとハードウェア面での取り組みだ。ソフトバンクではソフトウェア面でも災害対策を進めたという。
まず、災害が発生した際の対策マニュアルを見直し、災害が発生した際の社内における役割分担や連絡系統の明確化し、緊急連絡網も整備したという。全国の主要拠点に復旧資材や生活備蓄品も配備したとのことだ。
さらに、防衛省や海上保安庁と「災害協定」を締結し、災害発生時に相互に協力する体制を構築した。地方自治体との協力体制も築いている。連携をスムーズに行えるように、各種訓練にも積極的に参加しているという。
ユーザーへのサポートも強化している。災害発生時には避難所などで無料の充電サービスや公衆Wi-Fi(無線LAN)サービスを提供するようになった。災害時のエリア復旧状況を地図上で確認できる仕組みも用意した。
災害対策に終わりはない
東日本大震災を受けて整備を進めた各種対策は、先述の通り熊本地震、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)や北海道胆振東部地震において役立ったという。直近であれば、2019年の「令和元年台風15号(房総半島台風)」「令和元年台風19号(東日本台風)」の際も先の災害の知見を踏まえた対応ができたという。
2011年当時と比べると、ソフトバンクを含む各キャリアの災害対策は非常に洗練された。エリア復旧も、以前とは比べものにならないほどに迅速化している。
しかし、地震や津波、台風といった自然災害の多い日本において、災害対策に終わりはない。今後も、より安心して使える携帯電話を目指した努力は続いていく。
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