イオンモバイルが料金改定 音声/シェア音声を220円値下げで“業界最安級”に 「フルかけ放題」も(1/2 ページ)
イオンリテールが、MVNOサービス「イオンモバイル」の料金改定を発表した。2021年10月1日から、音声プランと音声シェアプランの月額料金と音声SIM追加料金を、を現行の440円から220円に値下げする。10月1日から、国内通話料金を現行の30秒あたり22円から11円の半額に値下げし、120分のかけ放題も提供する。
イオンリテールが8月12日、MVNOサービス「イオンモバイル」の料金改定を発表した。
2021年10月1日から、音声プランと音声シェアプランの月額料金を現行の440円(税込み、以下同)から220円に値下げする。これにより、音声プランは月額803円/0.5GB~月額6358円/50GBに、シェア音声プランは月額1518円/4GB~月額6688円/50GBとなる。60歳以上のユーザーに限定した「やさしいプラン mini.」と「やさしい音声プラン」「やさしいシェア音声プラン」についても月額220円値下げする。さらに、シェア音声プランの音声SIM追加料金を、現行の440円から220円値下げして220円とする。これらの値下げは、既存ユーザーも手続き不要で自動値下げされる。
シェア音声プランを利用する場合、データの基本料金と音声基本料の月額220円に、シェア基本料の月額330円を加える形となる。さらに、音声SIMは1枚あたり月額220円を支払うことで追加できる。今回の改定で、音声基本料とSIM追加料金を合わせて計440円が値下げされた。
通話料金が一律で半額、120分のかけ放題も
通話についてもアップデートを発表。2021年10月1日から、国内通話料金を現行の30秒あたり22円から11円の半額に値下げする。現在も、プレフィックス番号を手動で付加するか、「イオンでんわ」アプリから発信すれば30秒あたり11円で通話できるが、プレフィックス番号を自動で付加する「オートプレフィックス機能」を活用することで、イオンでんわ以外のアプリから発信しても、30秒あたり11円で通話ができる。
ただしオートプレフィックス機能を利用できるのは、現時点ではドコモ回線のみ。au回線についてはオートプレフィックスをまだ導入していないため、単純に通話料金を値下げすることで30秒あたり11円を実現する。
新たな音声オプションサービスとして、月額1650円の「イオンでんわフルかけ放題」を2021年11月中旬に提供する。現在も「イオンでんわ5分かけ放題/10分かけ放題」を提供しているが、フルかけ放題ではより長時間の通話を定額で利用できる。ただし「完全かけ放題」ではなく、連続で通話できるのは120分までとなる。また、au回線の場合はイオンでんわアプリから発信する必要がある。
イオンリテール 住居余暇本部 イオンモバイルユニット イオンモバイル商品マネージャーの井原龍二氏によると、5分や10分を超えるかけ放題は「価格のバランスを含めて、当初は考えていなかった」が、「選べることをコンセプトにしている」ことと「音声料金や接続料が下がっており、提供できるような料金が出てきた」ことから、提供を決めた。120分で切れるのは、「(他社の事例で)ずっとつなぎっぱなしにしている人がいる」ことから、「収益的に厳しいものがある」のが理由だ。
音声接続を実現したことで、さらなる値下げを
4月に提供した「さいてきプラン」でも基本料金を値下げしたが、今回、さらに値下げに踏み切ったのは、イオンモバイルのMVNEが、2021年10月から中継電話サービスとキャリアの音声網を「接続」できるようになったことが大きい。これによって国内通話料金が一律で従来の半額になるだけでなく、従来の音声卸に比べて音声基本料金もさらなる値下げが可能になるとのこと。
井原氏は「業界最安級のシェア音声プランになった」とアピールする。例えばシェア音声12GBを4人で利用すると、1人あたり月額792円で3GBのデータ通信を利用でき、3GB帯で特に安い、nuroモバイルの792円やHISモバイルの790円と同等になる。
さいてきプランと今回の値下げにより、2021年3月までと比較してシェア音声プランは半額以下になる場合もある。さらに、家族のスマホ料金は、Y!mobileやUQ mobileなどのサブブランドと比べて半額以下になり、家族割引やでんきセット割などを加味してもイオンモバイルの方が安い――と井原氏は強調する。
1GB~10GBは、1GB刻みで細かくプランを用意していることもあり、手軽にプランを変更できるよう、マイページでは「料金プラン変更手続き」のリンクを、より上の方へ目立つように配置する。
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