FeliCa対応の超小型スマホ「Jelly 2」を試す 文字入力やバッテリーの持ちはどう?(2/3 ページ)
中国Unihertzの小型スマートフォン「Jelly 2」は、手にすっぽりと収まるサイズでFeliCaにも対応している。その小ささゆえに使いづらい場面もあるが、決済用端末として割り切るとかなり魅力的だ。
ぎゅっと握りやすいから決済に最適
モバイルデバイスの使いやすさに影響を及ぼす要素は多岐にわたる。その中で本体のサイズが影響する点としては、「収納のしやすさ」と「本体の持ちやすさ」がある。この2つは「携帯のしやすさ」というくくりで1つの評価軸にまとめてしまうことが多いが、実はそれぞれがトレードオフの関係にあると考えるのが妥当だ。サイズが大きい(しかし重量は軽い)デバイスは持ちやすく、サイズが小さい(特に厚さが薄い)デバイスは収納性に優れている。
Jelly 2の比較相手としてよく取り上げられる「Rakuten Mini」は、53.4(幅)×106.2(高さ)×8.6(厚さ)mmで重量は79gと薄く軽い。幅と高さがクレジットカードに近いことから「カード感覚で使えるサイズ」と形容する評価も多い。このサイズならばスーツやシャツの胸ポケットに無理なく収納できる。
Jelly 2は幅と高さはRakuten Miniよりコンパクトであるものの、厚さが17mmとRakuten Miniや「iPhone 12」など、多くのスマートフォンと比べて倍以上と厚い。これではさすがにスーツの胸ポケットに入れると「モコッ」と盛り上がってしまう。重量もRakuten Miniと比べると5割増しだ。Rakuten Miniと比べるとずんぐりむっくりな見た目だけに「現役最小モデルといいながらずいぶん重いじゃん」と思われがちだが、「iPhone 12 Mini」の133gと比べたら軽い。
ずんぐりむっくりなボディーのおかげで、Jelly 2は本体がとても持ちやすい。幅も高さも厚さも手のひらに収まるので「ぎゅっと握る」感触がとてもよろしい。このぎゅっと握って持ちやすいことが、FeliCaに対応した端末としての使い勝手にいい方向で作用している。
電子マネーの決済に加えて、モバイルSuicaなどの交通系ICを使うための端末として「歩きながら無造作に取り出して端末をタッチしてまたすぐ無造作にしまう」という、ある意味“雑”に使用する機会が多い利用形態でも、安心して確実に本体を保持できるメリットは実際に使っていると強く実感できる。
FeliCaに対応したことで当然ながらJelly 2でも「おサイフケータイ」アプリを導入している。おサイフケータイ機能は複数の端末で同時にを有効にすることはできず、元の端末からアプリを使っていったんサーバにおサイフケータイ機能で使っていた電子マネー残高情報を退避させたうえで、別の端末のアプリを使って電子マネー情報をダウンロードする。
この移行説明が「古いスマートフォンから新しいスマートフォンに電子マネーを移行する」という文脈で説明されることが多いため、「いったん移行したら古いスマートフォンではもう電子マネーが使えなくなる」と思い込みがちだが、制約は「有効になるのは1台のスマートフォンだけ」なので、新しい端末から古い端末に再度移行しても問題ない。
筆者の場合は、普段の街利用ではJelly 2でおサイフケータイ機能を使い、海や野外、荒天時の屋外といった条件の厳しいアウトドア環境では「TORQUE G3」に移行するという使い分けをしている。移行作業そのものも先日掲載した記事(3月22日掲載記事)で紹介されているように、おサイフケータイアプリだけで完結するので簡単かつ安全になっている。
ちなみに、FeliCa対応とは関係ないQRコードも今では主要な決済手段として利用されているが(むしろ、これがあればFeliCa非対応でも決済できる)、Jelly 2に対して「あの小さなディスプレイに表示されたQRコードは使い物になるのか」という意見も少なからずある。
実際、決済アプリのQRコードでJelly 2に表示されているサイズを測ってみると、「スターバックス ジャパン」公式アプリの支払いQRコードで10.5mm四方、PayPayの支払いQRコードで10mm四方だった。4.6型とスマートフォンのディスプレイとしては決して大画面とはいえないUnihetz Titanのディスプレイでも、スターバックス ジャパン公式アプリの支払いQRコードで15.5mmを確保しているのと比べると3分の2程度しかない。しかし、それぞれ実際に決済端末にかざしてみると、特に苦労することなくスムーズに読み取ってくれる。
そんな小さい画面のJelly 2だが、ソフトウェアキーボードの使い心地や処理性能はどうだろうか。
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