Apple Payの「WAON」「nanaco」はどう使う? 注意点は?(2/3 ページ)
10月21日、Apple PayのWAONとSuicaのサービスが始まった。使い始め方と注意点を簡単にまとめた。
発行済みカードからの移行はどうやる?
Apple Payでは、既に使っているWAONカードやnanacoカードを取り込むことも可能だ(取り込めるカードについては後述する)。取り込みの手順は両カード共通で、以下の通り。
- ウォレットアプリを起動する
- 「ウォレット」をタップ
- 「+」をタップ
- 「電子マネー」をタップ
- 「WAON」または「nanaco」をタップ
- カードの概要説明が出たら「続ける」をタップ
- 「お手持ちのカードを追加」をタップ(WAONのみ)
- カードごとに必要な情報(※3)を入力し「次へ」をタップ
- カードごとの利用規約を熟読して「同意する」をタップ
- iPhoneの上部(ICカードのリーダーライター部)を移行元のカードに当てる
- しばらく待つ
- 完了画面になったら「完了」をタップ
なお、移行元のカードは、移行が完了すると“無効”となる。カードのICチップの部分に切れ込みを入れるなどして処分しよう。
(※3)WAONカードは「コード」と「生年月日」、nanacoカードは「nanaco番号」の下4桁と「生年月日」
Apple Payに「移行できるカード」と「移行できないカード」
既存のWAONカードやnanacoカードは、全てがApple Payに取り込めるわけではない。移行できるカードとできないカードについて解説しよう。
WAONカード
Apple Payに取り込めるWAONカードは以下の通り。なお、「★」印の付いているカードは、ウォレットアプリやWAONアプリで新規発行できないものだ。
- イオングループ各社が発行するWAONカード
- G.G WAON(55歳以上の人が購入できるWAONカード)★
- ゆうゆうワオン(65歳以上の人が購入できるWAONカード)★
上記のカードでも、一度も使ったことがない(新品の)場合や最終チャージ日から3日経過していない場合は取り込めない。移行元カードに保管されている残高や「電子マネーWAONポイント」は取り込んだ直後に反映されるが、センター(サーバ)に保管されている残高や「WAON POINT」は取り込みから3日後に反映される。
一方で、以下のWAONカードはApple Payに取り込めない。
- ご当地WAONカード(WAONアプリからの新規発行のみ)
- イオングループ外の企業との提携WAONカード(「吉野家WAON」「三井住友カードWAON」など)
- クレジットカードやキャッシュカードと一体化されたWAONカード
- サッカー大好きWAON(対応予定あり)
- JMB WAON(JALマイルがたまるWAONカード)
- モバイルWAON(おサイフケータイ用、Google Payアプリで発行したものを含む)
これらのカードからApple Payに移行したい場合は、残高を使い切った上でiPhoneを使ってカードを新規発行する必要がある。
残高を使い切った後にカードに残る電子マネーWAONポイントは、Apple PayのWAONに移行できる。会員登録を済ませた上で、イオンの店舗などに設置されている「WAONステーション」や「イオン銀行のATM」で手続きを行おう。
写真の「イオンカードセレクト」のように、クレジットカードやキャッシュカードの機能が一体化したWAONカードはApple Payに取り込めない。「WAON機能だけを無効化することも技術的には可能だが、そうするとカードとしての機能が不完全になってしまうため」(担当者)だ
nanacoカード
Apple Payに取り込めるnanacoカードは、虹色デザインの通常カードとAndroidスマホ(おサイフケータイ)のnanacoカードのみとなる(おサイフケータイからの移行については後述する)。移行後はカード番号が変わるため、番号をひも付けて使うサービス(「7iD」や「オートチャージ」など)はカード番号の変更手続きが必要となる。
通常カードは「セブンカード・プラス」または「セブンカード」とひも付けることで「QUICPay」としても利用できるが、取り込みが完了するとQUICPay機能も無効化される。両カードはApple Payに登録すれば「QUICPay+」として利用できるので、機能的な問題は生じないだろう。
一方、以下のものを含め、他のnanacoカードはApple Payには取り込めない。
- クレジットカードまたはキャッシュカードと一体化されたnanacoカード
- シニアナナコ(60歳以上の人が発行できるnanacoカード)
- 限定デザインのnanacoカード
- カード状ではないnanacoカード(「ENEOS nanaco」「ANA QUICPay+nanaco」など)
おサイフケータイからの移行は?
WAONやnanacoは、Androidスマホの「おサイフケータイ」でも独自のアプリ、または「Google Pay」を介して利用できる(参考リンクその1/その2)。おサイフケータイからApple Payへの移行、Apple Payからおサイフケータイからの移行については、サービスによって状況が異なる。
WAON
10月21日時点では、プラットフォームをまたいだカードの移行は行えない。そのため、どちらかのプラットフォームで残高を使い切ったら、もう片方のプラットフォームに移行するという形を取る。カードに保存されている電子マネーWAONポイントの移行は、先に触れたWAONステーションやイオン銀行のATMを使えば行える。
プラットフォームをまたいだカードの移行は、今後対応を検討するという。
nanaco
10月21日時点では、おサイフケータイからApple Payへの移行のみ対応している。移行にはAndroidスマホとiPhone双方にnanacoアプリをインストールしておく必要がある。iPhoneで1枚もnanacoカードを発行していない場合の手順は以下の通り。
- Androidスマホで「nanaco」をタップ
- 「機種変更」をタップ
- 会員登録メニュー用パスワードを入力して「次へ」をタップ
- 現在のマネー(プリペイド)残高とポイント残高を確認して「引継番号発行開始」をタップ
- しばらく待つ
- 「引継番号」をメモして「終了」をタップ
- iPhoneで「nanaco」をタップ
- 「nanaco」をタップ
- 「アプリをはじめる」をタップ
- 暗証番号を設定する
- 「機種変更・再発行」をタップ
- 「Androidから機種変更」をタップ
- 「はじめる」をタップ
- 利用規約を熟読して「同意してすすむ」をタップ
- 引継番号と会員登録メニュー用パスワードを入力して「つぎへ」をタップ
- ウォレットアプリに遷移したらしばらく待つ
- 移行元カードの残高とポイントを確認して「次へ」をタップ
- カードが追加されるのを待つ
- 「完了」をタップ
- メインカードにするかどうか聞かれたら「メインカードとして使用」または「今はしない」をタップ
- nanacoアプリに遷移したら「とじる」をタップ
Apple Payからおサイフケータイへの移行については、今後の検討課題という。
nanacoでは、おサイフケータイ対応Android端末からApple Payへの移行には対応している。しかし、Apple Payからおサイフケータイ対応Android端末への移行には現時点で未対応だ
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