Apple Payの「WAON」「nanaco」はどう使う? 注意点は?(3/3 ページ)
10月21日、Apple PayのWAONとSuicaのサービスが始まった。使い始め方と注意点を簡単にまとめた。
プリペイド残高のチャージはどうやる?
Apple PayのWAONとnanacoは、以下のいずれかの方法でプリペイド残高にチャージ(残高の積み増し)ができる。なお、いずれのカードも残高の上限は5万円である。
現金チャージ
現金を使ったチャージは、以下の場所で行える。
- WAON
- イオングループの店舗のレジ
- WAONが使えるコンビニエンスストアのレジ(ミニストップ、ローソン、ファミリーマート、セイコーマートなど)
- 一部のWAON加盟店のレジ(ビックカメラグループ、しまむらなど)
- イオン銀行のATM
- WAONチャージャーmini
- nanaco
- セブン&アイグループの店舗のレジ
- 一部のnanaco加盟店のレジ(ビックカメラグループ、しまむらなど)
- セブン銀行のATM
- 店頭のチャージ機
現金チャージをする際は、買い物をする場合と同様に端末側で事前に認証を行う必要がある。事前にウォレットアプリでチャージする対象のカードを選び、決済に必要な操作を行い認証を済ませておこう。
なお、現金チャージは1000円から4万9000円の範囲内で1000円単位で行える。ただし、チャージする機材や店舗によっては、入金上限額を4万9000円未満に設定している場合がある。
現金チャージをする場合は、ウォレットアプリからチャージするカードを選び、認証を済ませてリーダー/ライターに端末をかざす。おサイフケータイに慣れた人にとっては面倒に感じる部分だが、よく使うカードは「メインカード」にしておけば選ぶ操作が省ける
Apple Payに登録したカードでのチャージ
Apple PayのnanacoとWAONは、Apple Payに登録してあるクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードを使ってチャージできる。ただし、10月21日時点では以下のいずれかのブランドが付いているカードのみ対応している。
- Mastercard
- JCB
- American Express
これはイオンカードやセブンカード(セブンカード・プラス)も例外ではなく、両カードを含めてVisaブランドのカードはApple Pay(ウォレットアプリ)を使ったチャージを利用できない。
Apple Payを使ったチャージは1000円から4万9000円の範囲内で1円単位で金額を設定できる。
専用アプリからのチャージ
Apple PayのWAONはWAONアプリから、Apple Payのnanacoはnanacoアプリからチャージすることもできる。それぞれのアプリからは、残高不足時の「オートチャージ」の設定や、たまったポイントを使った「ポイントチャージ」も行える。
WAONアプリ
WAONアプリにイオンカードを登録すると、以下の機能を利用できる。
- 都度チャージ(1000円から4万9000円の範囲内で1円単位、VisaブランドでもOK)
- オートチャージの設定(1000円から4万9000円の範囲内で1000円単位
イオンカードは、提携カードを含むほぼ全種類を登録できる。ただし、「イオンデビットカード」(Visaブランド)や「イオン銀行キャッシュ+デビット」(JCBブランド)など、対象外のカードもあるので注意しよう。
なお、WAONアプリでもApple Payに登録したカードでのチャージは行える。ただし、ウォレットアプリでのチャージと同様の制約を受ける。
nanacoアプリ
nanacoアプリにセブンカード(セブンカード・プラス)を登録すると、以下の機能を利用できる。
- 都度チャージ(1000円から4万9000円の範囲内で1円単位、VisaブランドでもOK)
- オートチャージの設定(5000円から4万9000円の範囲内で1000円単位)
なお、nanacoアプリでもApple Payに登録したカードでのチャージは行える。ただし、ウォレットアプリでのチャージと同様の制約を受ける。
ポイントチャージ
WAONアプリでは、電子マネーWAONポイントを使ってポイントチャージを行える。「1ポイント=1円」換算で保有ポイントが全てチャージされる。保有ポイントの一部のみをチャージしたい場合は、WAONステーション(※4)またはイオン銀行ATMで行える。
(※4)WAONステーションでは、WAON POINTの一部を使ったポイントチャージはできません
nanacoアプリでは、センター(サーバ)預り分を含むnanacoポイントを使ってポイントチャージを行える。「1ポイント=1円」換算で、1ポイント単位でチャージ可能だ。
おサイフケータイとの「サービス差」はいつ埋まる?
より新しいプラットフォームを使っていることもあり、Apple PayのWAONとnanacoは、おサイフケータイ(Google Pay)用のサービスよりも“洗練”されている。アプリのユーザーインタフェース(UI)もこなれているし、クレジットカードを使ったチャージはApple Payの方が自由度が高い。人にもよるが、同じ種類のカードを用途別に複数枚発行できることも魅力だろう。
思えば、Apple Payの「Suica」が登場した際も、先行していたおサイフケータイ用「モバイルSuica」よりもサービスが“洗練”されていた。おサイフケータイとApple Payの「機能差」は、2020年3月のモバイルSuicaアプリの刷新によってようやく是正された。古いバージョンのおサイフケータイは同種のカードの複数枚発行が難しいという問題はさておき……。
WAONを運営するイオンリテールも、nanacoを運営するセブン・カードサービスも「Apple PayとAndroidスマホ(おサイフケータイ)とのサービス差を極力なくすことは、お客さまへの公平性を考えると欠かせない取り組みである」としている。ただ、Apple PayのSuicaとモバイルSuicaの差分は、是正に約3年5カ月かかっている。そう簡単に埋められる“差”ではない。
プライベートでのメインはAndroidスマホのおサイフケータイである筆者としては、WAONやnanacoにおける“差”がいつ埋まるのか、そこにどうしても興味が向かってしまう所である(Apple Payを使えというツッコミは甘んじて受ける)。
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