4キャリアの5Gはどれだけつながり、どれだけ速い? iPhone 13シリーズで比較検証(2/4 ページ)
2020年に「iPhone 12」が発売された直後に5Gがどれだけつながるかを検証したが、当時はエリアが駅前などに限られていた。現在は山手線沿線ならばほぼ全域で5Gピクトが表示されるようになったが、実際はどうなのか?
au:駅構内での堅実なエリア整備
JR山手線では駅構内のエリア化も積極的に進めている。JR秋葉原駅とJR東京駅の駅構内(屋内)で調査を行ったが、auは両駅ともにダウンロード500Mbps超という速度を記録した。山手線では主に東側の神田駅から新橋駅を中心に検証を行ったが、おおむね下り100Mbps超の結果を出しており、遅くとも30Mbpsを下回ることはなかった。
東京都心の5Gエリア化は山手線を中心とした内側に偏っているのはソフトバンクと同様だが、ソフトバンクでは検証時点で4G接続だった羽田空港や幕張メッセなど主要スポットも5Gエリア化が進んでおり、23区外も既存周波数帯による5G化が駅周辺から進んでいる印象だ。
auではiPhone 12シリーズで検証した際も、新橋駅や渋谷駅など主要駅前で高速な通信が利用できた。2021年に入って山手線沿線をカバーするようにエリアが広がり、移動中も高速通信が確保されるようになってきたという状況だ。
au網は全国ではKDDIが提供しているが、沖縄でのサービスは別会社の沖縄セルラー電話が提供している。そのため、沖縄でのエリア整備は比較的に進んでいるようで、那覇空港や那覇市の国際通りといった観光拠点はしっかり5Gエリア化されていた。
また、今回の検証では地下鉄は全て4G LTEエリアとなっていた。ただし、9月のある1日のみ、ドコモ網が都営地下鉄の地下駅および駅間で5Gピクトを表示した日があった。エリア化のための試験が進んでいたためかもしれない。
ソフトバンク:都心の重点整備が奏功
ソフトバンクは、都心部の5Gエリア化を重点的積極的に進める方針のようだ。特に今回検証することが多かった山手線の東側の上野駅から品川駅にかけては、5G新周波数帯のエリア化が進んでおり、ほぼ一貫して5Gのピクト表示になっていた。
駅間では高速な通信となることは少なかったが、おおむね20Mbps以上の速度で安定して通信できていた。5Gの基地局は、東京都心において特に利用が多いエリアを重点的に整備されていた。例えば秋葉原中央通り交差点(ビックカメラ AKIBA前)ではダウンロードで1Gbpsを超える通信速度を記録している。
上りの通信速度はソフトバンクが最も安定していた印象だ。ソフトバンクはエリア整備の方針として、5Gの境界エリアでは上り通信で4G LTEを併用するなどの対策を行っていることを明らかにしている。
他キャリアと同様に、東京都心のエリア化は山手線内に重点が置かれているが、エリアマップなどで確認する限り、ソフトバンクは特に都心偏重な整備方針に見える。その結果として、豊洲など臨海部でのエリア整備はソフトバンクがやや進んでいるようだ。
一方で、5G化はまずは都心から進める方針なのか、地方でのエリア展開は限られている印象もある。那覇市では国際通り付近で5Gピクト表示となったものの、スピードテスト中に4G LTEに落ちてしまい、記録上は5Gとなることはなかった。
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