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「iPad mini(第6世代)」自腹レビュー iPhone 13 Proよりオススメできる理由とは?(2/3 ページ)

「iPad mini(第6世代)」を自腹で購入、レビューした。8.3型iPadの最新モデルとなる本機は、アスペクト比が約2:3で横向きにした場合に動画やゲームを見やすくなる。「iPhone 13」と同等のスペックを持っていて、いま「iPhone 11」や「iPhone XS」などの性能に満足しているならこちらの購入がおすすめだ。

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iPad mini(第6世代)の機能をiPhone 13 Proと比較しつつ紹介

 ここからはiPad mini(第6世代)を実際に触れて気になった点についてもう少し深く紹介していこう。

 画面サイズは8.3型(2266×1488ピクセル)と大型になり、縦横の画面比率が従来の約4:3から約3:2になった。これにより、横向きで16:9の動画をより広く面積で表示できる。輝度は500ニトでTrueTone対応により、色の見え方も自然。P3高色域ディスプレイで、Dolby VisionやHDRの再生にも対応する。


iPad miniシリーズも、ようやく弱点だった動画視聴時の実表示サイズの小ささと音響の迫力のなさを克服した。純正や市販のスタンド付きカバーをつけて使いたい

iPad mini(第6世代)とiPhone 13 Pro(右側)、従来サイズのiPad mini(第2世代)で16:9動画の再生サイズを比較。明るさは均等になるよう目視で調節した。発色が鮮やかで、画面サイズや比率の変更により、16:9動画の表示サイズも明らかに大きくなった

 ステレオスピーカーは上面と底面に搭載。従来のiPad miniの底面側のみのステレオスピーカーと比べて音の立体感は大幅に増している。iPhone 13 Proの方が音の大きさや高音や低音の響きはやや良好なのだが、全体的な音のまとまりとしてはiPad mini(第6世代)の方が聴きやすいと感じられた。本体サイズの大きさも影響しているのだろう。動画や音楽を垂れ流す用途では特に不満のない品質に達している。

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横向きにすると、左右側面のスピーカーから従来モデルと比べ圧倒的に迫力のある音響を楽しめる。市販のスタンドカバーを取り付けた場合、左側面で電源と音量のキー操作でき便利。だが、縦向き利用だとこの音量キーの配置は使いづらい

 電子コミックは1ページずつ表示するのがオススメだが、画面を顔に近づければ見開き2ページも見やすい。見開きでも1ページをiPhone 13 Proより大きく表示できる。


電子コミックを見開き2ページ表示。iPhone 13 Proより見やすい(表示内容は「ブラックジャックによろしく」著作:佐藤秀峰 漫画:on web)

 一方で気になったのは、縦向きでのブラウザや写真サムネイルの縦スクロール中に、画面内の水平に並んだ文字や画像がやや斜めにゆがんだように見える点だ。これは一部で“ゼリースクロール”とも呼ばれている。逆に従来のiPad(120Hz表示のiPad Proは除く)の、横向きで縦スクロールすると同様に斜めにゆがんで見える現象はない。この現象はどの60Hz液晶パネルでも若干見られるが、今回目立った原因は従来のiPadと設計上の液晶パネルの縦横の向きが異なるのに加えて、画面サイズや表示内容、人の視覚それぞれの悪条件が加わったものと思われる。

 とはいえ、縦向きの縦スクロール時に表示内容が水平に並んだ文字や画像のゆがみが気になるのは仕方がない。気になる場合は、縦向きでの縦スクロールは最小限にする、または横向きでの操作をメインにするといいだろう。詳しくは別記事で紹介する。


iPad miniを縦向きに持ち、ブラウザや写真のサムネイル表示を上下スクロールする、一部で“ゼリースクロール”とも呼ばれる現象をスローシャッターで撮影。画面は上へスクロールしているが、画面右側の池が先に上方向へスクロールしたコマが描画され、左側のラーメンはやや遅れて上へスクロールしている

 スペックだが、チップはiPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」でメインメモリは4GBだ。一般的なスマートフォンやタブレットの中でも、トップクラスのCPUとGPU処理性能を持つ。これを明確に超えるスマート機器は「M1」搭載のiPad Proぐらいしかない。

 高画質ゲームのプレイだが、スマートフォンでは最高クラスの処理性能を要求するmiHoYoの「原神」も高画質設定で快適に動作した。バトルロイヤル系ゲームや音楽ゲームは、画面が適度に大きいiPad mini(第6世代)の方が遊びやすいと感じる人は多いだろう。処理性能が高いだけに、ディスプレイのリフレッシュレートが60Hz止まりなのは残念なところだ。


高画質3Dグラフィックのゲーム、miHoYoの「原神」も最高画質かつ60fpsで動かせた。ゲームパッド対応タイトルなので、XBOXワイヤレスコントローラーなどでもプレイできる Copyright © 2020 miHoYo All Rights Reserved

 実際のベンチマーク結果についても見ていこう。並べたiPhone 13 Pro 256GBはGPUコアが通常の4コアから5コアに増やされている他、メインメモリ6GBと若干仕様が異なる。


「Antutu Benchmark」

「GeekBench 5」

「3DMark Wild Life Extreme Unlimited」

 ベンチマーク結果は若干iPhone 13 Proの方が上のスコアが出たが、よく見るとCPUやGPUのテストでそこまで差がない項目もある。iPad mini(第6世代)は本体が大型な分、放熱性能で有利な点も理由の1つといえるだろう。

 Antutuの詳細を見るとメインメモリやストレージへのアクセス速度に差があるようだ。だが、ストレージは容量が大きいほど高速になる傾向がある。今回テストに利用したモデルはiPad miniが64GB、iPhone 13 Pro 256GBなので、iPhone 13 Proの方がスコアを伸ばした可能性はある。

 ネットワーク周りは、ドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの5G/4Gネットワークに対応。楽天モバイルも4G限定だが利用できた。時々外出先で使うだけなら、維持費の安いauの「povo2.0」や楽天モバイルで使うといいだろう。

 また、スマートフォンでドコモの「5Gギガホ プレミア」などキャリアの大容量のプランを契約中なら、タブレットなどデータ通信機器向けの「5Gデータプラス」を追加契約すると月額1100円で通信量をシェアできる。ドコモの場合5Gギガホなら30GB利用可能だ。同様のプランはauだと「タブレットプランライト 5G」、ソフトバンクは「データシェアプラス」があるので、大手キャリアのスマホ契約を利用中の人はこれらのプランを確認しよう。

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