全面刷新の「iPad mini」を試す iPhone 13並みの性能と5G対応がうれしい(1/3 ページ)
フルモデルチェンジを果たしたiPad miniだが、サイズ感は従来モデルと同じでタブレットとしては非常にコンパクトだ。iPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」を搭載しておりパフォーマンスも十分。5Gに対応したこともうれしい進化といえる。
約2年ぶりに登場した第6世代の「iPad mini」が、9月24日に発売される。これまでのiPad miniはホームボタンのあるiPadをギュッと凝縮したようなスタイルだったが、第6世代ではデザインを一新。2020年に発売された「iPad Air」や、2018年以降の「iPad Pro」と同様、前面全体がディスプレイだけになり、モダンなたたずまいになった。
性能も一新しており、プロセッサにはiPhone 13シリーズと共通の「A15 Bionic」を採用。Proモデル以外のiPadとして、初めて5Gに対応するモデルでもある。その持ち運びやすさや汎用(はんよう)性の高さから根強い人気のiPad miniだが、フルモデルチェンジした第6世代の使い勝手はどうか。発売に先立ち、実機を試用することができたため、ここではそのレビューをお届けしたい。
片手でギュッと握れるコンパクトさで、Touch IDも便利
フルモデルチェンジを果たしたiPad miniだが、サイズ感は従来モデルと同じでタブレットとしては非常にコンパクトだ。スペック上の横幅は134.8mm。スマートフォンほど持ちやすいわけではないが、ある程度手が大きければ、片手でギュッと握ることができるサイズ感だ。強く握ることができるため、移動中に立ち止まって取り出しても落としてしまう心配は少ないだろう。10型前後のタブレットでは、こうはいかない。
片手で握れるサイズ感は、Apple Pencilの使い勝手も広げそうだ。片手にiPad mini、もう一方の手にApple Pencilを持ってもしっかりホールドできるため、あたかもノートやメモ帳のように利用できる。あくまで感覚的な話だが、サイズがコンパクトで凝縮感があり、iPadシリーズの中で最も“文房具”としての色合いが濃い端末といえる。
とはいえ、ディスプレイに写る映像の迫力は、これまでのiPad miniより大きくなっている。ホームボタンがなくなった分、ディスプレイが本体いっぱいまで広がっているからだ。1世代前のiPad miniは7.9型だったのに対し、第6世代のiPad miniはサイズが8.3型まで拡大している。わずか0.4型のように思われるかもしれないが、ディスプレイの大きさは数字以上に実感しやすい。
また、ホームボタンがなくなって画面下の額縁が細くなったことで、映像への没入感が増した。ホームボタンが前面に付いていると、どうしても画面を見る際に目に入ってしまっていたが、黒い額縁だけならあまり妨げにはならない。iPad Proなどと比べると、やや額縁が太いような印象はあるものの、前世代のiPad miniと比べるとデザイン自体も洗練された印象を受ける。
Apple Pencilは、iPad AirやiPad Proと共通の第2世代になり、側面にマグネットで貼り付けられるようになった。こうしたモデルをお使いの方はご存じかもしれないが、磁力はそこまで強いわけではないため、軽い衝撃で落ちてしまう。本体に付けられるからと言って、そのまま持ち運ばない方がいいだろう。フレームのデザインもiPad AirやiPad Proに近づいている。
一方で、サイズ的な制約があったためか、音量ボタンは縦位置で画面上部、横位置で左側面に移動している。従来のiPadとは実装されている場所が異なることもあり、慣れるまでは少々違和感があるかもしれない。また、Touch IDを統合したトップボタンも、上部に搭載されている。指紋の読み取りはスムーズで、画面を点灯させた際に自然とロックが解除されるユーザビリティは評価できる。マスクを着けたままでも使いやすいのがうれしい。
個人的にはiPad Airのようにキーボードの利用頻度が高いと、Touch IDはその都度指をキーから離さなければならず、少々面倒だったが、iPad miniは持ち運んで外で使う機会の方が多い。このようなユースケースの違いもあり、同じTouch IDでもiPad miniの方が使い勝手がいいと感じた。
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