iPhoneにeSIMをサクッと移せる iOS 16の「eSIM クイック転送」を試してみた
iOS 16では新たに「eSIM クイック転送」に対応した。この機能を活用することで、iPhoneの設定のみで旧端末から新端末にeSIMの情報を移すことができる。povoと楽天モバイルのeSIMを、iPhone 13 ProからiPhone 14 Proに移してみた。
iOS 16では新たに「eSIM クイック転送」に対応した。この機能を活用することで、iPhoneの設定のみで旧端末から新端末にeSIMの情報を移すことができる。2022年9月16日時点では、au、UQ mobile、povo2.0と楽天モバイルがeSIM クイック転送に対応している。
これまで、機種変更した端末にeSIMを移すには、eSIMの再発行手続きを行い、再びプロファイルをインストールする必要があったが、クイック転送機能を使えば、そうした手間を省けるというわけだ。なお、クイック転送を利用するには、双方の端末にiOS 16がインストールされている必要がある。
クイック転送は、iCloudかBluetoothを使って行える。まずはiCloudを使った方法から見ていこう。
古いiPhoneから新しいiPhoneにiCloud経由でデータを転送している場合、設定している通信サービスの情報も転送されている。新しいiPhoneで「設定」→「モバイル通信」を選ぶと、古いiPhoneで使っていたキャリアまたは通信サービスが一覧表示される。ただしこの時点では「SIMなし」と表示されており、eSIMはまだ転送されていない。
ここで、設定したい電話番号を選択し、「番号を転送」を選ぶ。「ほかのiPhoneで転送を承認」という項目が現れるので、古いiPhoneに「転送を承認」の項目が現れたら、サイドキーを2回押して承認しよう。これで古いiPhoneでその電話番号が使えなくなり、新しいiPhoneでeSIMが有効になる。
なお、クイック転送はiPhoneをアクティベーションする際にも設定できる。アクティベーション時に「電話番号を転送」という画面が現れるので、転送する電話番号を選択し、古いiPhoneで転送を承認すると、新しいiPhoneでeSIMが有効になる。
筆者はアクティベーション時に楽天モバイルのeSIMを、アクティベーション後にpovo2.0のeSIMを、iPhone 13 ProからiPhone 14 Proに移したが、どちらも問題なく設定でき、通話やデータ通信も問題なく利用できた。eSIMのアクティベーションは1~2分で完了した。再発行に伴う手数料も発生せず、本人確認も不要だ。
Bluetoothを利用する場合、まず双方の端末でBluetoothをオンにした後、新しいiPhoneで「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信を追加」→「近くのiPhoneから転送」を選択。その後、古いiPhoneで「電話番号を転送」が表示されるので、「続ける」を選択。その後、検証コードが表示されるので、新しいiPhoneにそのコードを入力すればよい。
iCloud経由の方が検証コードを打ち込む手間もなくスムーズなので、クイック転送はこちらの方法をオススメしたい。
一度転送したeSIMを、Bluetooth経由でもとのiPhoneに戻すこともできる。「設定」→「モバイル通信」から「eSIMを追加」を選び、戻したい電話番号を選択。「続ける」→「番号を転送」→「その他オプション」→「近くのiPhoneから転送」を選ぶ。後は先述のBluetoothを使った転送と同じく、検証コードを入力すればよい。
このように、eSIMのクイック転送を活用すれば、(やや操作の手間はあるが)物理SIMを入れ替える感覚でeSIMも入れ替えることができ、利便性が大きく向上する。ドコモとソフトバンクは現時点ではeSIM クイック転送に対応していないが、早期の対応を期待したい。
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