iPhone 14 Proの「ダイナミックアイランド」を試す 何がどう便利になった?(2/2 ページ)
iPhone 14 Pro/14 Pro Maxの顔はiPhone 14/iPhone 14 Plusとは違う。TrueDepthカメラシステムを生かして、ディスプレイ上部で通知を受けたり、小さな操作パネルとして活用したりできる「Dynamic Island(以下、ダイナミックアイランド)」を初搭載。その挙動を実機で確かめてみた。
現状どんなアプリで使えるのか
……といわれてもイメージしづらいはずなので、実際、それぞれのアプリでどのように挙動するのか、ここからはiPhone 14 Pro Maxの実機で確かめていく。
まず試したのは標準搭載の「通話」アプリだ。着信時に島が左右に広がり誰からの着信かが一目でわかる。終話すると島の幅は狭くなる。終話アイコンの右隣にある緑色の電話マークをタップすると、相手と通話を始められる(電話に出られる)。通話中にダイナミックアイランドをロングタップすればコントローラーが表示されて簡単に終話できる。
「Messenger」アプリと「Instagram」アプリの通話もダイナミックアイランドに対応していた。MessengerもInstagramも通話時間が島で分かるようになっていた。ただ、Instagramの通話(ビデオ通話も含む)の挙動が時折不安定になった。
次に試したのは「Apple Music (ミュージック)」アプリ。楽曲を再生したままホーム画面に戻ると、島が大きくなり再生中の楽曲のアルバムアートワーク(CDなどでいうジャケット画像)がセンサーの左に、イコライザのようなアイコンはインカメラの右に表示される。その部分をタップすると、再生中の楽曲の詳細を確認したり、アルバムの中に入っている楽曲一覧を確認したりできる。
それに関連して音量を上げてみると、先ほどのApple Musicの際よりも長めの棒状のバーが画面上部に表示された。島の横幅は先ほどよりも長くなり、音量を下げたり上げたりすると、どれくらいの音量なのかを一目で確認しやすい。
続いてAppleの「マップ」アプリを試してみた。マップアプリを開いてホーム画面に戻っただけでは、島の長さに変化は見られなかった。会社から最寄り駅までの経路を調べて、「出発」を押した(ナビゲーションが始まった)後にホーム画面へ戻ると、島が長くなり階段のようなマークがセンサーの左に表示された。そのマークをタップすると、階段を降りるように指示された。
目的地に向かって進むに連れ、階段のようなマークではなく、目印になるマークに変化が見られた。ちなみに、GoogleマップもAppleのマップと同じような表示になった。他のアプリを起動していても、進むべき方向(右に曲がるのか、左に曲がるのか程度)が分かるので便利だ。
Lightningケーブルを挿してみると、島が長くなり左には「充電中」、右にはその時点でのバッテリー残量が表示された。MagSafe対応のモバイルバッテリーではどうか? と思い「Anker 622 Magnetic Battery(MagGo)」をiPhone 14 Pro Maxの背面に装着してみると、Lightningケーブルを挿したときと同様の表示になった。正常に充電できているのかを画面上部ですぐに確認できるのがポイントで、画面右上のバッテリーアイコンよりもダイナミックアイランドの方が大きく表示されて見やすい。
機内モード、Wi-Fi、Bluetoothのオン/オフの切り替えも試してみたが、島の表示に変化はなかった。
「時計」アプリには世界時計、アラーム、ストップウォッチ、タイマーの4項目が存在するが、このうちタイマーだけがダイナミックアイランドをサポートしている。タイマーをセットした後にホーム画面へ戻ると、島の左にストップウォッチのマーク、右に残り時間が表示された。タイマーについても他のアプリを起動しながら、画面上部で残り時間を確認できるのが便利だ。
ミュージックアプリで楽曲を再生しながら、タイマーをセットしてみたところ、島が角丸楕円形と円形に分かれた。角丸楕円形には再生中の楽曲、円形にはタイマーのアイコンが表示された。島が2つに分かれている状態から、ミュージックアプリを開くと島が角丸楕円形になり、ミュージックアプリを起動しながらタイマーの残り時間が把握できる。
それぞれをロングタップすると、コントローラーが表示された。ミュージックアプリなら楽曲の再生と一時停止、タイマーなら一時停止とストップを画面上部のコントローラーで操作できる。
島の形が大きく変わったのはFace IDの登録時と認証時だった。設定アプリから顔を登録する際、島は角丸楕円形から角丸正方形に変化。Suicaを使用する際の認証時にも顔の登録時と同じく角丸正方形になり、しっかりと認証しているかどうかを確認しやすい。
「駅探」や「マクドナルド」といった一般的なナビアプリやフード系のアプリでは、本校執筆中に通知が一度も来なかったため、それを含む挙動を確かめることはできなかった。
結論:いわゆる純正アプリなら試せる
ここまで試した結果、ダイナミックアイランドの最大の利点はアプリを開かなくても、画面上部でバックグラウンドで起動しているアプリを確認したり、ロングタップでコントローラーにしたりできることだ。
今回の検証で分かったのは純正アプリや充電など、標準的な動作の際にダイナミックアイランドの恩恵を受けられることだ。一方で、他社製(サードパーティー)アプリはまだ潤沢に対応している、と言い切れない。
Appleいわく、音楽系アプリは「NowPlaying API」、通話アプリは「Callkit API」を採用すれば、ダイナミックアイランドに対応できるそうだ。アップデートを楽しみに待ちたい。
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