レビュー

「iPhone 14 Plus」は単なる“大きいiPhone”ではない 14/14 Pro Maxにはない魅力とは(2/3 ページ)

iPhone 14シリーズのトリを飾るのが、新たに加わった6.7型の無印iPhoneこと「iPhone 14 Plus」だ。Proモデルより機能は抑えめだが、そこまでスペックは求めず、画面さえ大きければ十分と考えるユーザーにはうれしい選択肢といえる。6.1型のiPhone 14やiPhone 14 Proと比べると、映像を見たときの迫力も増している。

Proのような派手さはないが、カメラも着実に進化

 画面以外の機能は、基本的に無印のiPhone 14と同じ。プロセッサをはじめとした処理能力や、カメラのスペックなどに差分はない。あとはiPhone 14発売直前に掲載された記事を参照してほしい――と言いたいところだが、ここで終わってしまうのはレビューとしていささかバランスが悪い。また、同レビューは機能面での進化が大きかったProモデルの比重が高く、無印のiPhone 14にはあまり言及できていなかったため、ここではおさらいもかねてiPhone 14 Plusの各機能を紹介していこう。最初に注目したいのは、カメラだ。


一見するとiPhone 13と同じに見えるカメラだが、センサーはiPhone 13 Pro相当。フォトニックエンジンの採用で、画質も向上している

 メインとなる広角カメラのハードウェアは「iPhone 13 Pro」に近く、iPhone 14シリーズからの新機能となる「フォトニックエンジン」にも対応する。超広角と広角、それぞれのカメラで撮った写真は以下の通り。やや逆光気味のシチュエーションでも、HDRが効き、人物と背景をしっかり描写している。とはいえ、明るい場所で撮った際の画質は、端末間の差が出づらい。


超広角と広角、それぞれのカメラで撮った写真(モデルは竹森みずほさん、以下同)

 フォトニックエンジンの効果がよく分かるのは、合成処理をRAW画像から行うようになったナイトモードだろう。以下は、部屋を真っ暗にして撮影した写真。参考までに、露出を調整して目で見たときのような部屋の暗さを再現してみた。そことの比較だと、まるで部屋に明かりがついていたかのような仕上がりになる。拡大すると、ディテールがところどころ破綻しているため、合成処理をかけたことは分かるが、真っ暗な部屋で撮れる写真としては十分なクオリティーに仕上がる。

advertisement

左が肉眼に近い暗さを再現した写真。ナイトモードで撮ると、ここまで明るくなる

 また、デジタルズームもこれまでのモデルと比べると、大きく改善しているようだ。iPhone 14 Plusには、Proモデルのような3倍ズームは搭載されていないため、最大倍率は5倍に抑えられている。以下はその5倍ズームで撮った写真。肌の表現に若干、デジタル処理を加えたような痕跡は見えるが、服やバッグのストラップなどは、デジタルズームをかけたと思えないほどクッキリと写っている。このレベルであれば、5倍ズームもかなり実用的といえそうだ。


デジタルズームの画質も、かなり向上している。写真は広角カメラの1倍と5倍。ここまで寄っても、画質の劣化が少ない

 iOS 16の機能として、ポートレートモードに前ボケが加えられるようになったが、この効果もはっきり出る。iPhone 14シリーズに限った話ではないが、撮影の幅が広がりそうだ。さらに、インカメラもオートフォーカスに対応し、画質が向上した。センサーサイズの違いもあり、アウトカメラほどの自然なボケは出ないが、ピンボケを防げるのはうれしい。センサーのスペックだけを見ると、iPhone 13 Pro相当だが、ソフトウェアやISPの力で、より画質は向上していることがうかがえる。


iPhone 14シリーズ限定の機能というわけではないが、iOS 16で前ボケを作ることが可能になり、カメラの表現力が上がった

インカメラはオートフォーカスに対応

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.