FCNTが「arrows We2」「arrows We2 Plus」発表 PlusはSnapdragon 7+ Gen 2搭載で自律神経測定も可能
レノボ傘下となったFCNTが、新体制で初めてとなるスマートフォンをリリースする。従来モデルの後継に加え、スペックと画面サイズを引き上げた上位モデルも用意される。
FCNTは5月16日、新型スマートフォン「arrows We2」「arrows We2 Plus」を発表した。arrows We2はNTTドコモとau/UQ mobile(KDDIと沖縄セルラー電話)、arrows We2 PlusはNTTドコモから8月中旬以降に発売される予定で、5月16日から各社において販売予約を受け付けている。
なお同社によると、arrows We2については販路が追加される可能性があるとのことで、決まり次第改めて発表するという。
arrows We2シリーズの概要
その名の通り、arrows We2シリーズは「arrows We」の後継モデルとなる。ユーザーニーズの多様化を受けて、エントリー向けかつ直接的な後継として「arrows We2」、ミドルレンジ向けの「arrows We2 Plus」の2モデルに“分けた”ことが特徴だ。
arrows We2
エントリーモデルであるarrows We2は、FCNTとしては初めてMediaTek製SoC(プロセッサ)を採用したエントリーモデルとなる。先述の通りarrows Weの直接的な後継モデルであり、手頃な値段と使いやすさの“両立”を目指している。
SoCはMediaTek製の「Dimensity 7025」で、メモリは4GB、内蔵ストレージは64GBを備える。最大1TBのmicroSDメモリーカードも搭載可能だ。本機では内蔵ストレージの一部をメモリとして運用する「仮想メモリ」機能を実装しており、メモリ領域を最大8GBまで拡張可能だ。OSはAndroid 14をプリインストールし、最大2回のOSバージョンアップと最長4年間のセキュリティ更新を保証している。
ディスプレイは720×1560ピクセルの6.1型液晶で、インカメラ周辺部にノッチがある。バッテリー容量は4500mAhで、「arrows N」と同様にQnovoの技術を採用した充電制御を取り入れている。
アウトカメラは広角(約5010万画素/F1.8)とマクロ(約190万画素/F2.4)のデュアル(二眼)構成で、夜景を明るく撮影できる「Super Night Shot」も実装している。アドビとの協業による「Photoshop Expressモード」も引き続き実装している(※1)。
(※1)利用するには、別途「Photoshop Express」アプリをダウンロードする必要がある(ショートカットはプリセット済み)
インカメラは広角(約800万画素/F2.0)のシングル構成だ。
外部接続端子はUSB 2.0 Type-Cで、USB PD(Power Deivery)規格の急速充電にも対応する。3.5mmイヤフォン/マイク端子も備えており、ハイレゾ音源の再生にも対応する。
モバイル通信は、国内では5G NR(Sub-6)とLTE(4G)に対応する。SIMはnanoSIMカードとeSIMのデュアル構成となる。Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)とBluetooth 5.2にも対応する。
電源ボタンには指紋センサーを搭載しており、指紋認証を利用できる。このセンサーを使った便利機能として、画面スクロールや拡大/縮小をコントロールできる「Exlider(エクスライダー)」が“復活”したこともポイントだ。
ボディーはIP6X等級の防塵(じん)性能と、IPX5/8等級の防水性能を確保している。MIL-STD-810H(MIL規格)に定める23項目の耐衝撃/耐環境テストもクリアしている。最近のarrowsではおなじみとなった「泡ソープ洗浄」と「アルコール消毒」にも対応している(条件あり)。

泡ソープ(または薄めた中性食器用洗剤)による本体洗浄と、アルコール消毒にも引き続き対応する。ただし、これらには一定の要件があるため、プリインストールされているチュートリアルアプリで洗い方をしっかり確認しておきたい
arrows We2 Plus
arrows We2 Plusは、arrows We2の上位モデルという位置付けで、SoCやディスプレイのスペックがより高くなっている。現時点ではドコモ専売モデルとなる。
SoCはQualcomm製の「Snapdragon 7+ Gen 2」で、メモリは8GB、内蔵ストレージは256GBを備える。最大1TBのmicroSDメモリーカードも搭載可能だ。本機も仮想メモリ機能を実装しており、内蔵ストレージの一部を使うことでメモリ領域を最大16GBまで拡張可能だ。OSはAndroid 14をプリインストールし、最大3回のOSバージョンアップと最長4年間のセキュリティ更新を保証している。
ディスプレイは1080×2400ピクセルの6.6型有機ELで、インカメラ周辺部にパンチホールがある。最大輝度は1200ニトで、リフレッシュレートは最大144Hzとなる。バッテリー容量は5000mAhで、Qnovoの技術を採用した充電制御を取り入れている。
アウトカメラは広角(約5010万画素/F1.8/光学式手ブレ補正付き)と超広角(約800万画素/F2.2)のデュアル(二眼)構成で、Super Night ShotやPhotoshop Expressモード」も引き続き実装している。カメラの下部には光学式の脈拍センサーを搭載しており、自律神経の状況をチェックできるアプリをプリインストールしている。
外部接続端子はUSB 3.2 Gen 2 Type-Cで、USB PD(Power Deivery)規格の急速充電(最大33W)と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。3.5mmイヤフォン/マイク端子も備えており、ハイレゾ音源の再生にも対応する。
モバイル通信は、国内では5G NR(Sub-6)とLTE(4G)に対応する。SIMはnanoSIMカードとeSIMのデュアル構成となる。Wi-Fi 6E(6GHz帯対応のIEEE 802.11ac)とBluetooth 5.2にも対応する。
ボディーはIP6X等級の防塵(じん)性能と、IPX5/8等級の防水性能を確保している。MIL-STD-810H(MIL規格)に定める23項目の耐衝撃/耐環境テストもクリアしている。最近のarrowsではおなじみとなった「泡ソープ洗浄」と「アルコール消毒」にも対応している(条件あり)。
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