自分で修理できるスマートフォン「Fairphone 4」は“5年保証”で長く使える:山根康宏の海外モバイル探訪記
環境にやさしい製品、すなわちサステナビリティーを考えたモノづくりが世界各国で活発化しています。ドイツテレコムの店舗には、サステナビリティー製品を展示しているコーナーがありました。その隣で展示されているスマートフォンは、フェアトレード素材やリサイクル素材を使った「Fairphone 4」。
環境にやさしい製品、すなわちサステナビリティーを考えたモノづくりが世界各国で活発化しています。ドイツ最大手のキャリア、ドイツテレコムのお店を訪問したところ、最新スマートフォンの展示とは別の場所にサステナビリティー製品を展示しているコーナーがありました。
スマートフォンのケースはiPhoneやGalaxy向けのもので、トウモロコシを主成分とした生分解性プラスチックが100%使われているとのこと。スマートフォンを買い替えた際、ケースは捨てられてしまうことが大半です。生分解性プラスチックなら土の中で分解されるため環境を破壊しにくくなります。欧州ではこの手のケースが最近かなり増えているそうです。
その隣で展示されているスマートフォンは、フェアトレード素材やリサイクル素材を使った「Fairphone 4」。背面カバーを外して電池交換も可能、さらに基板やパーツを取り外して自分で交換することもできます。パーツはFairphoneが公式に販売しており、故障や破損したときもディスプレイ、カメラ、スピーカーなどをパーツごとに交換できるのです。もちろんバッテリーも販売されています。
主なスペックは、プロセッサがSnapdragon 750G、メモリ6GBまたは8GB、ストレージ128GBまたは256GB、ディスプレイは6.3型、バッテリーは3905mAh、アウトカメラは4800万画素+4800万画素超広角、インカメラは2500万画素、IP54の防水に対応します。通信方式はもちろん5G対応。価格はメモリ6GB+ストレージ128GBモデルが579ユーロです(約8万円)。
本体サイズは75.5(幅)×162(高さ)×10.5(奥行き)mm、手に持ってみると若干厚みがあるかなと感じます。しかし本体は5年保証でパーツ交換も自在となれば、安心して使い続けられるでしょう。本体を2年、3年と使い続ける場合もバッテリー交換できるので、電池寿命を気にしなくて済みます。なお、Fairphoneの新機種の投入は約2年おきなので、気に入ったら4年間使って2つ先の新機種に買い替える、なんてサイクルで機種変更するのもよさそうです。
Fairphoneが誕生したのは2013年でした。最近になってスマートフォンメーカーも再生素材の使用や本体の回収、自分で修理できるリペアキットの提供などを行ってしますが、Fairphoneは10年も前にサステナビリティーを考えた製品を開発していたのです。新製品は1機種だけでも10年間もビジネス展開を続けられているということは、それだけ環境に敏感な消費者に支援されているということなのでしょう。Fairphoneと同じようなコンセプトの製品がこれからもっと増えることに期待したいものです。
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