Pixel 7発売後でも「Pixel 6a」を買うべき理由 外観からAI、カメラまでをじっくり検証(3/5 ページ)
Pixel 6aの実力を検証しつつ、Pixel 7/7 ProやPixel 6/6 Proとの違いも紹介する。5万円台ながら、フラグシップと同じAI特化型プロセッサを搭載しており、今でも十分買いといえる。
最高ではないが“頑張るカメラ”を搭載
Pixel 6aに搭載されているカメラは背面が1220万画素の広角+1200万画素の超広角の2眼構成、前面がシングルカメラとなっている。Pixel 6/6 ProやPixel 7/7 Proと比べると、広角側のセンサーが小さく、レーザーオートフォーカスも無しと、やや見劣りする部分だ。とはいえ、普段使いのスマホのカメラとしては十分な画質は確保できる。
Pixelシリーズのカメラはそもそも、イメージセンサーやレンズといったハードウェアにこだわりすぎず、AIやソフトウェア処理による最適化でより良い写真を生成するという設計思想で作られている。ハードウェア的に劣るPixel 6aであっても、シーンによっては上位モデルに比肩するような写りを見せることもある。
「夜景モード」は、AIの実力を発揮させやすい。手持ちで構えて2~3秒のシャッターを我慢できれば、人間の目には真っ暗に見えるような場所でも、昼間のような明るい写真が撮影できる。夜景モードでは風景の“あるべき姿”を推測して補完する仕組みとなっているようで、写真を拡大して細部まで観察すると破綻している部分もあるが、SNSに投稿する程度ならほとんど気にならないだろう。
「ポートレートモード」では、AI処理で被写体を認識する仕組みで、人物だけでなく物体に焦点を当てることも可能だ。さすがに、ストローのような細い物体にピントを合わせるのは難しいが、おおむね適切にピントをあわせることができた。
写りの傾向としては、記録色よりも記憶色寄りだ。言い換えると、被写体をそのまま映し出すというよりも、印象に残るハッキリとした色合いを表現する傾向がある。また、複数の光源がある屋内など、ホワイトバランスが安定しない場所においても、適切な色味を選びやすい傾向にあるとも感じた。
Pixelシリーズ限定の機能では、写真から余計な被写体を除去できる「消しゴムマジック」に対応する。動きのある被写体を流し撮り風に写せる「モーションモード」は“非対応”となっている。
なお、Pixel 6aのカメラの写りについて、より詳しく知りたい人は、ITmedia Mobileが以前に掲載した荻窪圭氏のレビューを参照してほしい。
Pixel 6aの主なスペック
Pixel 6aの画面は6.1型の有機ELディスプレイで、HDR再生もサポートする。ただし、フレームレートが標準的な60Hzのみ。Pixel 6 Pro/7 Pro(最大120Hz駆動)やPixel 7/6(最大90Hz駆動)とは違い、画面の動きを滑らかに表現することはできない。
プロセッサは8コアのGoogle Tensor(第1世代)。メモリは6GBのLPDDR5RAMで、ストレージは128GBびUFS 3.1 ストレージ。いずれも高速な規格を採用している。セキュリティチップとして、Googleが設計したTitan M2セキュリティコプロセッサを内蔵し、画面内指紋認証の指紋データやAIが内部処理するデータを保護している。
5Gはミリ波には対応しておらず、Sub-6周波数帯と転用周波数帯のみをサポートする。ただし、NTTドコモの5Gのプラチナバンド「n79」は対応しないため、ドコモ網では多少つながりづらいと感じるかもしれない。SIMはnanoSIMとeSIMをサポートし、2回線の同時待受が可能。Wi-FiはWi-Fi 6(802.11ax)とWi-Fi 6E(国内非対応)をサポートする。
バッテリー容量は4410mAhで、駆動時間は「24時間以上」としている。充電は本体下部のUSB Type-C端子から急速充電に対応する。防水・防塵(じん)はIP67相当に対応。おサイフケータイ(FeliCa)もサポートしている。
なお、Pixel 5a 5Gまでのaシリーズが備えていた3.5mmジャックは、Pixel 6aでは省かれている。
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