中古で2万円台、5年前の「iPhone X」は今でも使える? iPhone 14 Proと比べて分かったこと(3/3 ページ)
5年前に発売されたiPhone Xを改めて検証。今はどれだけ使えるのか、どのような部分が新しい機種に比べて苦しい立ち位置になっているのかをまとめてみた。
バッテリーはどの程度劣化しているのか注意
バッテリーに関しては、今回5年間利用したスマートフォンを用いて評価している。確認したところ、バッテリーの劣化度は79%だった。5年間利用したことを考慮すれば、理解できる数字だ。
5年使用したスマートフォンのバッテリーを評価するとなると、気温が低い環境で電源が落ちたり、40%から突然20%の表記になったりすることが見られた。古い機種ではこのようにバッテリーが劣化する場合が多いため、中古で購入する際は注意したい。
その他のマイナス点は、iPhone XはeSIMに対応していないことと、FeliCa用のバックアップバッテリーを備えていないことだ。前者は近年増えてきているeSIMが利用できないが、現時点において大きなマイナス要素にはならない。後者については、スマートフォンの電源が切れてしまうと改札を通れなくなってしまうのが難点だ。
限定的な用途でならまだアリ 5年落ちでも使えるiPhone X
iPhone XやiPhone 8といった世代のスマートフォンをこれからも使い続けていくことに関しては、個人的には少々厳しいと感じた。
iPhone Xの性能は近年の廉価なスマートフォンと同等程度にはなるものの、iPhone向けのコンテンツは日々最新のモデルをベースに作られている。最新OSがまだ利用できるiPhone Xでも、一部機能が利用できないアプリも存在している。加えて5年前の製品となれば、バッテリーの劣化や有機ELパネルの焼き付きも出てくる。長く愛着を持って使うことも大切だが、5年利用したとなればそろそろ替え時だと思う。
その一方で、子供に与える端末や、2台目用のスマホとして、iPhone XやiPhone 8を選び、使い続ける選択肢もある。連絡用の端末や音楽プレーヤーなどの用途なら、古いiPhoneでも活躍するだろう。
この世代なら、バッテリー交換といった修理も比較的安価な上、中古販売店でもおおむね2万円前後で購入できる。簡易的な修理であれば、新品のiPhoneを買うよりも安価に済む。2万円台で販売されているRedmi Note 11と比較しても、体感的なパフォーマンスはiPhone Xの方が上に感じた。最新の格安スマホと呼ばれる価格帯のスマートフォンを検討しているのであれば、このような旧式のiPhoneも対象に入れてもいいはずだ。
iPhone SE(第1世代)やiPhone 7といったOSアップデートが終了した機種も、音楽プレーヤーをはじめとした「携帯電話」として利用しない使い方をしているユーザーも多いのではないだろうか
iPhone Xは最新世代と同じiOS 16を利用できるが、スペック的にも不足を感じる年数がたっている。加えてバッテリーをはじめとした端末の経年劣化、対応アクセサリーの減少もあり、満足に利用することは難しくなりつつある。
一方で、性能についてある程度の割り切りや、音楽プレーヤーなど用途を絞るのなら、iPhone Xを使い続けることもアリだと実感した。古いiPhoneの選択を考えているなら、用途によって決めるといいだろう。
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