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横須賀にO-RAN準拠の通信機器の試験/認証拠点「Japan OTIC」誕生 世界初の「複数キャリア共同運営」
YRP研究開発推進協会とMNO4社が、共同でO-RAN(Open RAN)規格に準拠した通信機器の試験や認証を行う施設を神奈川県横須賀市に開設した。同種の施設は海外でもいくつか存在するが、複数のMNOが共同で設立/運営するものは世界初だという。
YRP研究開発推進協会、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4者は12月20日、横須賀リサーチパーク(YRP:神奈川県横須賀市)にO-RAN仕様の通信機器の試験や認証を行う拠点「Japan OTIC(ジャパンオーティック)」を開設した。
Japan OTICの概要
「OTIC(Open Testing & Integration Centre)」は、O-RAN ALLIANCEが策定した標準仕様に基づいて開発された通信機器やネットワークサービスを検証する拠点である。既にヨーロッパに4箇所、米国に1箇所、アジアに2箇所設置されているが、いずれも特定のキャリアまたは企業が設立/運営したものである。
今回誕生したJapan OTICは、日本で初めてのOTICであると同時に、世界で初めて複数のキャリアが共同で設立/運営するOTICとなる。組織としてはYRP研究開発推進協会が代表となり、4社が会員として加わる形で運営される。
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5者は、Japan OTICの設立を通して日本の情報通信分野のサプライチェーンのオープン化、活性化、多様化、海外展開を促進する考えだ。
Japan OTICの活動(方針)
- 中立的でオープンなポジションで活動
- O-RAN仕様にそった相互接続性の検証環境を提供
- 基地局を始めとする機器の試験を実施
- 「コンフォーマンス試験」「相互接続性試験」「End to End 試験」にも対応
- O-RAN仕様への適合認証を実施
- 各種試験/認証のサポートも実施
- O-RAN仕様の普及とオープン化を促進
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