OnePlusも格安スマホを強化、「Nord 300 5G」は米国でLG撤退の後を狙う:山根康宏の海外モバイル探訪記
OnePlusが低価格モデルのラインアップも強化しています。2023年1月に米国を訪問した際にキャリアの店舗で販売されていた「OnePlus Nord 300 5G」を見てきました。先代モデルからスペックが下がっているところが気になりました。
OnePlusといえば海外でハイエンドスマートフォンを次々に送り出しているメーカーとして知られていますが、最近は低価格モデルのラインアップも強化しています。現在、OnePlusのビジネスはグループ企業のOPPOと統合されていますが、米国ではOPPOが市場参入していないため、OnePlusブランドの低価格モデルも積極的に展開されているわけです。今回は2023年1月に米国を訪問した際にキャリアの店舗で販売されていた「OnePlus Nord 300 5G」を見てきました。
Nord 300 5Gの主なスペックは、プロセッサがMediaTekのDimensity 810、メモリ4GBにストレージは64GB、ディスプレイは6.56型(720×1612ピクセル)の液晶で90Hz駆動、バッテリーは5000mAhで33Wの急速充電に対応します。ミドルレンジというよりもエントリーモデルに近い製品でしょうか。背面の質感はOPPO Reno系でおなじみの表面マット+光沢仕上げ。価格は229.99ドル(約3万円)でT-Mobile系列で販売されており、契約プランによっては無料になっていました。
Nord N300 5Gの前モデルとして「Norod N20 5G」や「Nord N200 5G」も一部店舗ではまだ販売中。この両モデルはディスプレイが1080×2400ピクセルであり、Nord 300 5Gでスペックダウンされたのはやや残念なところ。また、カメラと指紋認証センサーの性能もNord N20 5Gは「6400万画素+画面内蔵」でしたが、Nord N300 5Gは「4800万画素+側面電源キー」。Nord N20 5Gをあえて選ぶユーザーもいそうです。
インカメラは水滴ノッチですが、前モデルはパンチホールでした。前モデルと価格はあまり変わらないことから、半導体不足や中国の生産問題などにより部材コストをさらに下げる必要があったのかもしれません。
カメラが4800万画素なのは価格を考えれば悪くはありませんが、前モデルが6400万画素だったことを考えると夜間など暗いシーンで弱みを見せそうです。また前モデルはマクロカメラも搭載していましたが、Nord 300 5Gはメイン+深度測定のみ、つまり実質シングルカメラです。ただし写真モードから即座に4800万画素のオン/オフができるUI(ユーザーインタフェース)は評価したいところ。
カメラのその他のモードも最小限で、日常的なスナップ撮影で満足するようなユーザーをターゲットにしているのでしょう。無理に低価格モデルを出さなくてもいいように思いますが、LGが得意としていたプリペイド向けなどの格安スマートフォンがなくなった状況の中で、ボリュームを稼げるモデルを定期的に投入することは必須なのです。なお、プリペイド向けの低価格モデルはサムスン、モトローラ、TCLが複数の製品を展開しています。
2023年1月時点で、OnePlusが米国で販売しているハイエンドモデルは「OnePlus 10T」です。OnePlus 10TはSnapdragon 8+ Gen 1に5000万画素+800万画素+200万画素カメラ、150W充電対応と充実のスペックですが、カメラ性能はサムスンの最上位機に比べるとやや不満を感じます。実は2023年1月に中国では最新モデル「OnePlus 11」が発表されました。こちらはSnapdragon 8 Gen 2、2Kディスプレイ、5000万画素+4800万画素+3200万画素カメラという強力なカメラを搭載します。
OnePlusの「ハイエンドモデルメーカー」というイメージが年々低下しているだけに、最新モデルは中国だけではなくグローバルにも同時投入をぜひしてほしいものです。
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