iPhoneでPixelの「消しゴムマジック」を試す 実は有料だけど使う価値はある?:荻窪圭のiPhoneカメラ講座(1/2 ページ)
Androidだけでなく、iPhoneユーザーにも2月に「Google フォト」が公開された。この内部機能の内の1つ「消しゴムマジック」を実際に使ってみよう。「Google One」ユーザー限定の機能となるが、不要なものを消去するのにはぴったりな機能だ。
iPhoneユーザーのみなさま、Googleフォトは使ってますでしょうか?
その名の通り、Googleが提供する写真や動画のサービスで、クラウドストレージを使って自動的に写真や動画をバックアップしたり、写真や映像を閲覧、編集したりできるサービスだ。
Googleのことだからワンタップで良きに計らってくれる最先端の賢い機能を追加してくれているのだが、実は一部だけ、GoogleのPixel 6や7ユーザーにしか開放されてないツールがあったのである。何げなく差別化されていたのですな。
その代表が「消しゴムマジック」。写真に写り込んでしまった人や電線を消してくれる機能だ。これ、Pixel以外のAndroid機やiPhoneのGoogleフォトにはなかったのである。だから知る人ぞ知る機能だったのだ。
それがこの2023年の2月にPixel以外の端末にも開放されたのだ。もちろん、iPhone(iOS)にも。
iOSにも「消しゴムマジック」がやってきた
では試してみよう。
Googleフォトを起動して、使う写真を選び編集アイコンをタップすると、「候補」の中に「消しゴムマジック」や「ポートレート」など、新しい機能が並んでいる。「候補」というのはその写真に向いた編集機能をGoogleフォトがピックアップして用意してくれたもの。開く写真によって現れる「候補」は異なっているのがミソだ。
ここでは筆頭に「消しゴムマジック」がある。
何はともあれ「消しゴムマジック」。背景の不要なものを自動的に「消して」くれる機能だ。といっても、やることは基本的に「Googleさんよろしく」。
「消しゴムマジック」をタップすると写真から消去する候補をピックアップしてくれる。背景の人物や電線なんかが候補になるのだが、まあ「通行人は全部消せ」って感じだ。
「よし」と思ったら「すべてを消去」をタップ(個別にタップして消すこともできる)。するとこうなる。
見事にみんな消えた。実際には写っていない背景を作り出しているので、よく見るとかなり怪しいけど、それはしょうがない。
さらにこの機能、よく見ると「消去」と並んで「カモフラージュ」なるボタンもある。
ちょいと言葉として分かりづらいのだが、背景に邪魔なものがあるんだけど、うまく消せないとかそこを消しちゃうと不自然になるとかそういうときに「目立たなくする」機能。
この写真、iPhone 14のレビュー用作例として背景にiPhone 14 Proの広角が入っている場所で撮ったのだけど、左端に別の広告の一部が入り込んでいて、それも青やら赤やらでちょいと目立つので目立たなくしたい。
そこで、目立たなくしたい箇所を指でうにうにと囲んで指定してやる。
するとその範囲から自動的にターゲットを見つけて目立たなく(具体的には背景になじむよう彩度を落とす)してくれるのだ。
ついでに背景の消火栓の下にある青い広告も目立たなくしたい。
で、結果がこちら。
さらに候補に「ポートレート」があるのでそれをかけてみると、顔がちょっと光が当たって明るくなり、背景が少しぼけてよりメインの被写体である彼女が目立つようになる。
もうちょっと背景をぼかそうかな、ってことで「ツール」にある「ぼかし」機能でぼけを少し強くする。
最後に「コピーを保存」をタップすればそれが新規画像としてフォトライブラリに保存されるわけで、その結果がこちらだ。
人物写真の背景を、って話をしたけどもちろん普通に風景写真から人を消したいときも使える。観光写真とかね。ディテールが多少怪しくなっても、通行人を入れたくないことはある。
急に誰もいなくなった寂しさ、みたいなのも感じる。
もう1つ、もちろんiPhoneで撮った写真じゃなくてもGoogleフォトにあればOK。360度カメラ(リコーのTHETA X)で撮影してリトルプラネットにした画像があるんだが、どうしてもTHETAを持っている自分がどまんなかに写ってしまうので、自分を消してみた。
自動で候補が選択されないときは、指でなぞって消したいものを指定すると、Googleフォトが自動的にそのオブジェクトを判断して消してくれる。
自分を消すってのもなんかすごい表現だな。
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