調査リポート
“1円スマホ”の規制に「賛成」「反対」の理由:読者アンケート結果発表:ITmedia Mobile読者に聞く(3/3 ページ)
ITmedia Mobileでは、スマートフォン単体の値引き規制について読者アンケートを実施しました。賛成が約3割、反対が約6割という結果。賛成派は「不当な転売ビジネスが横行していること」、反対派は「ユーザー間の不公平感への違和感」を多く挙げました。
スマートフォン(単体)の割引金額はどのように決めるべきだと思いますか?
現在、回線とセットで販売するスマートフォンの値引き額は2万2000円(税込み)までに制限されていますが、単体販売の場合もこの金額にすべきなのか、あるいは別に基準を定めるべきなのかは、まさに総務省の有識者会議でも議論されているところです。読者の皆さんはどう考えているのでしょうか。
- 回線セットと同様に2万2000円以内にする……15(7.32%)
- 端末の価格帯に応じて決める……74(36.1%)
- 割引後に中古の販売価格を上回らないようにする……14(6.83%)
- 中古の買い取り価格以内にする……17(8.29%)
- その他 (具体的に)……85(41.46%)
- 合計……205件
「端末の価格帯に応じて決める」が最多
最も多かったのは、「端末の価格帯に応じて決める」でした。ミッドレンジ端末なら、2万2000円でも十分な割引額といえますが、20万円超えのハイエンド端末にとっては不十分でしょう。ハイエンド端末をより買いやすくするには、より柔軟な割引施策が求められそうです。
「競争ルールの検証に関するWG(第37回)」で楽天モバイルが提出した資料より。楽天モバイルは、一例として、10万円未満の端末は現行の2万2000円までとし、10万円以上の端末は20%まで割引可能とする案を示した
その他の意見:販売店が自由に決めるべき
その他では、販売店が自由に決めるべき、という意見が目立ちました。
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- 販売店が自由に決めてよいものと思う。スマホだけ特別扱いする意味が分からない
- 代理店に委ねる
- 決める必要なし。家電等と同じように、販売店で決めればいい
- 時間が経過すれば価値は変わる。時価でいいと思うが1円は無いと思います
- 他の電化製品同様に需要と供給で決めるべき
- ハイスペックを求める方はそれなりに、最低限ライン電話ネット検索ができる物はそこそこな値段で
- 外野がどうこう言うのではなく通信契約と完全分離させたうえで、販売店が在庫を見ながら自主的に価格を決める普通の物販にしてほしい
- 販売者が利益を確保できればいい
- 割引をなくし基本使用料金を下げる
- 自由経済の流れにより、定価という概念がなくなっているここ十数年から、割引金額が実質ないに等しい今、廉価販売だけ判断すればいいと思う
- 好きなときに好きな値引きを。売った数ではなく売った価格に沿った代理店への還元を事業者が実施する
- 売価は店舗が自由に決めるべき。そうでないと、不人気端末の在庫処分も(中古相場が崩壊するまで)できなくなり、結果としてチャレンジングな端末が販売されなくなっていくのでは?
- 規制しなくて市場に流動性持たせて、テンバイヤーから税金ガッツリとればいいだけ!
- 最低利用期間というルールは復活させたほうが業界にとっていいと思う
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