災害時の無料Wi-Fi「00000JAPAN」、通信障害発生時でも利用可能に
災害時に利用する無料Wi-Fiサービス「00000JAPAN」が、通信障害が起きた際にも開放されることになった。00000JAPANは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが中心となって提供している、災害時に利用できる無料の公衆Wi-Fiサービス。総務省の有識者会議で、通信障害時にも活用したいとの要望が通信キャリアから挙がっていた。
災害時に利用する無料Wi-Fiサービス「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」が、通信障害が起きた際にも開放されることになった。
00000JAPANは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが中心となって提供している、災害時に利用できる無料の公衆Wi-Fiサービス。契約しているキャリアに関係なく、誰もが同じSSIDのWi-Fiスポットを利用できる。
00000JAPANは無線LANビジネス推進連絡会(以下、Wi-BiZ)が運営している。総務省で開催している「非常時における事業者間ローミング等に関する検討会」でWi-BiZが00000JAPANを紹介したところ、携帯事業者から、通信障害発生時にも00000JAPANを活用したい旨の要望が出た。
00000JAPANの提供条件を変更するには、「大規模災害発生時における公衆無線LAN の無料開放に関するガイドライン」を変更する必要がある。そこで、現在00000JAPANを提供している100団体(通信キャリア、自治体、デバイスメーカーなど)にアンケートを実施したところ、有効回答36社のうち、35社がガイドライン変更に「賛同する」と回答した。通信障害時の00000JAPAN提供については、過半数の20社が「提供する」と回答した。
この結果をもって、Wi-BiZは5月18日にガイドラインを改定し、「大規模通信障害発生時の適用」という項目を追加した。ガイドラインには「公衆無線LANにおいても、モバイル通信事業者の大規模な障害の発生時に、それを補完する通信インフラとして、自然災害の発生時と同様に災害時用統一SSID『00000JAPAN』を使った無料開放を行えるものとする」と記載している。
なお、00000JAPANは誰もが簡単に接続できる利便性を優先しているため、暗号化などのセキュリティ対策は行っていない。個人情報を入力する、金融サービスを利用するといった用途では、個別に通信を暗号化するVPNの使用が推奨される。
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