iPhoneに続きAndroidも キャリア自らが中古スマホを扱うワケ、ドコモに聞く(2/2 ページ)
各キャリアは「認定中古」という枠組みでスマートフォンを提供することが増えてきている。ドコモではiPhoneに加えてAndroid端末も提供するなど、新しい動きも出てきている。ドコモがAndroid端末の「認定中古」を取り扱う背景や端末の選定理由などを広報に確認した。
キャリアが中古端末を扱うことでスマホ市場に影響はある?
さて、ドコモがiPhoneに続き、Android端末の認定中古端末を扱う理由は、通信分離化に伴う総務省のアクションプランにおける「中古端末を含めた端末流通市場の活性化」に対応するためだと考えられる。
もともとキャリアが下取りした端末は、これまで仲介業者を通じて海外市場へ売却されることが多かった。端末の分離化に伴って、その流れを変えるための取り組みも水面下で行われていた。今では本来なら海外に売却されていたものが、国内の整備業者に渡ることで中古でも流通されるようになりつつある。
ドコモは2019年から「スマホおかえしプログラム」を提供しているが、そこで十分な在庫を回収し、整備して市場に並べることを考えれば、現行の中古ラインアップは妥当といえる。
現時点ではキャリアのスマホラインアップや他の中古市場に影響を与えるかについては、大きな問題はないと考える。新品と中古の関係はもちろん、中古端末の設定価格もやや高価なこともあり、中古販売店との直接的な競合にはならないはずだ。
ドコモをはじめキャリアの中古端末は、補償サービスへの加入や端末の分割払いが可能な点や、回線値引きの組み合わせも利用できる点が魅力だ。中古ながら故障等の対応も迅速かつ安価に行える。
その一方で、キャリアが求めるスマートフォンの要件が変わってくるのではないだろうか。今後は回収したものを中古販売することを見越した「長期のアップデート」を行う機種を、各社求めるようになるのではないかと考える。
iPhoneやGalaxyのハイエンド機種は長期のアップデートを売りとしており、発売から3年が経過してもなおアップデートが継続されている。海外を見ても3年以上のアップデートやセキュリティパッチの配布を行うと公言したメーカーも少なくない。
このような取り組みを積極的に行うメーカー、もしくは対応してくれるメーカーの機種を選定することで、数年後に中古として販売しても、アップデート含めて安心して利用できるものとなってくる。
キャリアの中古端末を用いた戦略は、キャリアで販売される端末の寿命を伸ばすきっかけとなるのか、注目したい。
関連記事
Androidスマートフォンの“寿命”がiPhoneよりも短い理由
今回はスマートフォンをとりまくOSアップデートの実情、新たな取り組みについて考察する。AndroidスマートフォンのOSアップデートがiPhoneよりも少ない背景には、検証コストやプロセッサのサポート期間がある。そのAndroidスマートフォンでも、OSのアップデート長期化の流れも見え始めている。ドコモ、中古のAndroidスマホを取扱開始 Xperia 5/Galaxy S20/AQUOS R5G
NTTドコモは、3月30日に「docomo Certified(ドコモ認定リユース品) スマートフォン」の取り扱いを開始。「Xperia 5 SO-01M」「Galaxy S20 5G SC-51A」「AQUOS R5G SH-51A」を提供する。ドコモが中古スマホを販売 iPhone XS/XRなどを30日間保証付きで
NTTドコモは、3月23日に「docomo Certified(ドコモ認定リユース品)」を取扱開始。商品受取から30日間の故障は郵送で交換し、ケータイ補償サービスも加入できる。ラインアップはiPhone XRやiPhone XSなど。「iPhoneは異常な状態が続いている」が、中古スマホが“過去最高”に好調の理由
総務省がアクション・プランで後押ししたこともあり、スマートフォンの中古市場が右肩上がりで成長している。ニューズドテック(旧携帯市場)もその1社で、2021年12月に中古スマートフォンの販売台数で過去最高を記録した。一方でiPhoneは異常な状態が続いているという。中古スマホの“良品”はどのように生まれるのか にこスマの検査センターに潜入
中古スマホのECサイト「にこスマ」を運営する伊藤忠商事グループのBelongが、自社の中古スマホ検査センターを一部の報道関係者に公開した。にこスマで取り扱う中古スマホは、SIMロックやネットワーク利用制限がなく、外観の状態が良好なもの。端末1台1台を独自の管理システムに登録し、機能チェックからデータ消去、写真撮影、購入者への配送まで、全ての工程がこの検査センターで行われている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.